夫婦というのは家の基礎となる関係ですから、とっても大切な人間関係です。
夫婦になる相手というのは、特別な御縁で結ばれています。しかし、特別な御縁だからといって、ただそれだけで幸せになれるということではありません。お互いに尊敬し合い、信頼し、思いやりを持ち、足並みを揃えて日々を過ごしていかなければいけませんよね。
つまり、必然的にこの広い世界で出会い、夫婦となったふたりが、その特別な関係をよいものにするか、悪いものにするかは、ふたりの努力と心次第なのです。
それまでまったく違った環境で生きてきた男女がひとつ屋根の下で暮らしていくわけですから、いろいろ問題も出てくるでしょう。また、結婚当初は恋愛の延長線上のような感覚で幸せ一杯であっても、年月を重ねていくうちに、どうしても相手の欠点、気に入らない点が目につくようになることもあるかと思います。
でも、独身のときとは違い、結婚というのは共同生活です。いわば、新しい人生のスタートと言えるかもしれません。ですから、それまでの自分の生活習慣に強いこだわりを必要以上に持つよりも、ふたりで話し合いをしながら新しい生活習慣を作り上げていくということが重要になると思います。
こうしたことをないがしろにして、目をつぶったり(時には目をつぶることも必要ですが)、逆に相手の気になるところや欠点を責めるようなことばかりしていると、初めはいいものの、やがてダムが決壊するかのごとくお互いの感情が爆発してしまい、ギスギスした夫婦関係になってしまう可能性があります。
お互いが頑固を押しとおして歩み寄ることをせずに、60代、70代になっても毎日口喧嘩をしたり、同じ家に住んでいるのにまったく会話をしない夫婦となってしまっては、自分たち夫婦が不幸なのは当然ですが、かわいい子どもにまでいい影響を与えません。
夫婦がよい関係を築いていくには、相手をどんどん褒めてあげることや、感謝の気持ちを口にすることが大切です。日本人はそうやって口に出すことが苦手だなんて言いますけれど、それは言い訳です。褒められたり、感謝されたらうれしいですよね? そういった相手が喜ぶことは、どんどん言ってあげたほうがいいんです。
何も難しいことなんてありません。ご飯が美味しかったら「すごく美味しかった。ありがとう」。毎日夜遅くまで働いているご主人に「いつも遅くまでお疲れさま。家族のために働いてくれてありがとう」。そういった、日常での些細なことで構わないんです。それだけで、十分うれしいものです。
そういった、小さな心遣いがお互いにできていれば、おじいちゃん、おばあちゃんになったときに「この人と一緒で本当によかった」と思える素敵な夫婦になれるのです。
結婚というのは恋愛とは違い、好きなだけで続くものではありません。家というものは生活の場ですから、お互いの協力が必要なのです。
結婚されている方も、まだ結婚されていない方も、このことを忘れないでいただきたいと思います。
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