家族というのは、血のつながり以上にカルマの深い深いつながりで結ばれています。これまでも拙著などでも述べてきましたが、家族というのは同じカルマを背負った運命共同体とも言えるのです。
しかし、ここ青森で相談を受けていますと、同じカルマを背負った運命共同体だからこそ、家族間で問題が起きていることがわかります。
その内容は離婚問題、嫁姑問題、介護問題、子どもの引きこもり、家庭内暴力など種類は様々ですが、家族という近い間柄だからこそ、一度問題に火がついてしまうと、信じられないほどの憎しみや憎悪といったネガティブな感情が生まれてしまいます。
そして、家族はそうやすやすと縁を切れるものでもないので、一度問題が起きると、解決するのにものすごい労力がいります。また、家族という近い間柄だからこそ、その問題の根がかなり深いことが多いように見受けられます。
なぜかというと、家というのはひとつの閉じられたボックスのようなもので、そのボックスの中で共同生活をしていきます。それゆえ、その家の中だけで通用する習慣、言葉、教育等々、外からは見えないことがたくさんあるわけです。
そうしたことが親から子へ代々受け継がれていくので、何が問題でどうして良くないのかといったことになかなか気づくことができないのです。これは、体の新陳代謝ができていないようなもので、悪いものが家の中にたまってしまっている状態なんです。
ですから、一家を率いていく父と母は、いろんなことを経験し、また子どもにもさせ、そして読書をしても映画を観ても、そこからどんどん知識を得、活用していかなければいけないのです。そうすることで新陳代謝が行われ、家の中がきれいに保たれるのです。
また、家族だからと甘え過ぎてしまったり、配慮のない態度を取ったり、１から１０まで思ったことをなんでも口にしてしまったりしていると、それが積もりに積もって大きな問題へと発展してしまうことがあります。
家族とは言えども、それぞれ違う性格を持ち、違う考えを持った人間同士です。その集団がひとつ屋根の下で暮らしていくわけですから、思いやり、譲りの精神、配慮といったことが必ず必要なんですね。
こうしたことは、良好な人間関係を築くうえでの基本的なことです。ですから、家族間であっても例外ではないのです。自分中心に考えるのではなく、相手のことを考える。そして、許す。
そういうことが普段からできていれば、家族間で自然と愛情や絆といったものが育っていくでしょう。近い存在だとしても、幸せな人間関係の築き方は同じなのです。
次に、家族間のカルマについてお話します。
家族の中で起きる問題というのは、みなが背負っているカルマです。そのカルマに見合った魂が、ひとつの家族としてこの世に生を受けて生まれ落ちてきます。
家族間で問題が起きると、うやむやのうちにしっかりと解決することなく問題を先送りにしたり、無かったことのようにしてしまう場合があります。もちろん、問題の種類によっては時を経ることによって解決することもありますが、できることなら、早いうちに家族できちんと話し合って解決していくことが求められます。それが、共同生活というものです。
家の経営者である親が手綱を取り、一家を団結させ、導いていくのです。どんな小さな問題でも放っておくことなく、やがて未来において大きな問題へと発展するかもしれない芽を摘んでいくのです。
家族という間柄だからこそ、問題として浮き上がったときが恐ろしいのです。問題というのは、さまざまなことが複合的に重なって、何かの問題を火種として爆発します。そうならないためにも、ひとつひとつ、きちんと解決していかなければいけないのです。
ですから、普段から家族間でコミュニケーションを取るといったことは、とっても重要になってくるんですね。子どもが家を離れてひとり暮らしをしていても、定期的に連絡をして様子を伺ったり、たまには家に顔を見に行ったりする必要があります。
おじいちゃん、おばあちゃんとも同様に定期的に連絡を取ったり、孫の顔を見せに行ったりしましょう。それが、たとえば嫁姑問題を引き起こさないブレーキになったりもします。
また、夫婦間も同様です。子どもが独り立ちすれば、今度はふたりでひとつ屋根の下で暮らしていきます。夫婦は家族とは言えども、血の繋がりのない他人同士です。だからこそ、コミュニケーションが必要なのです。
ツーカーの間柄だとは言え、言葉で気持ちを伝えるということはとっても大事なこと。感謝の言葉、ねぎらいの言葉、愛する言葉、そうした言われて幸せを感じるような言葉を、どんどん相手に伝えていかなければいけません。
長年連れ添った夫婦だからこそ、そうした何気ない感謝の言葉が、ぐっと心に突き刺ささり、信頼や愛情、そうした絆を作り上げていくのです。
同じカルマを背負った家族だからこそ、みなで協力し、すてきな家族を作り上げていってください。家の中がきちんとしていれば、外に出ても立派な人間として生きていくでしょう。また、信頼できる家族がいることで、思いっ切りがんばることもできます。
家族だからとわがままし過ぎたり甘え過ぎたりすることなく、それぞれがそれぞれのことを尊重し、すてきな絆を作り上げていくことを願っています。
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