ある本に書いてあったことなのですが、子どもが実家を出ていると仮定して、現在、親が60歳であと20年生きるとします。子どもが実家に帰るのはお盆とお正月と合わせて6日間。その各1日から睡眠時間やプライベートの時間を引て、1日のうちで11時間が親子が一緒にいる時間と仮定します。そうすると、以下の計算式ができあがります。
11(時間)×6(日間)×20(年)=1320(時間)
この1320時間というのは、今後20年で親子が一緒に過ごすことができる時間です。日数にすると、
1320(時間)÷24(時間)=55
たった55日間です。
もちろん、仮定ですからこれがすべてではありませんが、子どもが実家を出ている場合はおおよそこの程度なのだそうです。
親子というのは、非常に強いつながりを持っていますから、その関係性は無限のように思ってしまいがちですが、こうして数字でハッキリと出されると、否が応にも親子の時間も限りあるものなのだ、と実感させられますね。
ですから、親も子も、それぞれがそれぞれを思いやり、何か問題があれば先延ばしせずに解決していきましょう、といった内容でした。
今回、親子関係のお話をしようと思ったのは、お親子関係のご相談を非常に多く受けているからです。その中でも、子どものことを愛せない親が、実は多いことをご存知でしょうか。
親が子どもを愛せないのはどうしてなのでしょうか。一緒に考えてみましょう。
精神的にまだ大人になりきれていないから?
望んだ子どもじゃなかったから?
自分の思いどおりに育たないから?
その理由はさまざまでしょう。いろんなことが複合的に重なっていると思うので、これといった原因を探ることはなかなか難しいかもしれません。
ただし、確実に言えることがあります。
愛情を注がれなかった子どもは、人とのコミュニケーションが苦手だったり、何かしらの問題を背負うことが多いということです。
また、逆に親のほうも、年を重ねるごとに後悔の念に苛まれるでしょう。ああしていればよかった、こうしていればよかった…。そういった親御さんを、これまで何度も見てきました。
親子関係の健全な形というのは、本来であれば親が子に“無条件の愛”を与えるということだと思います。しかし、人間は自分でも思いもしなかったような予想だにしない感情が芽生えてしまったりしますから、いつでも“無条件の愛”を与えるというのはかなり難しいと思います。
ここで問題になるのが、“条件つきの愛”というものです。これは、本当の愛ではなく、子どもをコントロールするための手法とも言えます。
たとえば、子どもが自分の思ったとおりに行動しなかったとします。そうすると、
「もう、あなたとは口をきかない」
「そんなことするのなら、ご飯は作ってあげない」
などといったように、自分の思いどおりにならないと愛情を引っ込めてしまうんです。
こうなると、子どもはどうなるでしょうか。子どもが頼るべきは親しかいませんから、自分の考え、意見は押し殺し、親に従うようになります。
その結果、自己不信、希望や夢を抱けない、人づき合いの仕方がわからなくなる、などといったような問題が起こります。
先に述べたように、いつでも“無条件の愛”を与え続けるのは難しいでしょう(も
ちろん、できる限りの愛は与えなければいけません)。ただ、この“条件つきの愛”を減らすことは可能です。できる限り、減らすべきだと思います。
子どもを持つということは、やはり覚悟がいることだと思います。子どもはペットではなく、人間なんです。人間を育てるのはとても難しいこと。思いどおりにいかないことがほとんどかもしれませし、ひとりの人間を思いどおりにしようという考え自体が間違っているのです。
では、そのことがわからずに子どもを産み、愛情を与えることができなかったらどうすればいいのでしょうか?
これはもう、“今”から変えていくしかありません。自分のことよりも、子どものことを考えてあげるべきだと思います。
子どもの不幸は、同時に親の不幸です。絶縁していて現実的な不幸がないとしても(客観的に見れば絶縁すること自体不幸ですが…)、親子関係を改善できなかったことはカルマとして残りますから、もっと根が深い不幸だとも言えるでしょう。
親子関係というのはとっても強いつながりで結ばれたご縁です。ですから、親子関係の不和というのは、是が非でも改善していただきたいのです。子どもが大人になってからでも遅くはありません。特別なご縁だからこそ、ふとしたことをキッカケに一気に改善することだってあります。
親子関係で悩んでいるとき、まず考えるべきは子どものことです。それが、子を持った親の責任、そしてカルマを清算するキッカケになると思います。
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