青森の神様 木村藤子の公式ブログ 日々の暮らしから得る気づき

透視人生30年以上のキャリアで培ってきた、誰しもが幸福になる生き方、考え方をお伝えします。

心の中で葛藤する善と悪

 誰でも「素直に生きられたら楽なのに……」と思ったことがあると思います。子どものように自分の気持ちに正直でいられたら、毎日は楽しいものになるでしょう。

 

 ですが、“素直” とはいったいどんなものなのでしょうか? 大人は往々にして、自分の行動、時には思いや気持ちも意識的に抑えたり、逆に大げさにしたりする場合がありますが、どんなに素直を演じられていると思っていても、やはり本当の “素直” とはまったく別なものになってしまう場合がほとんどです。

 

 これは特に若い人に多いように思うのですが、“自分” というものをまだよく把握できていない場合、理想のキャラクターを決めて、そのキャラクターのように振る舞うことで自分らしさを形成していく場合があります。他人とのコミュニケーションにおいても、自分で決めたキャラクターに扮することで、コミュニケーションが手っ取り早く円滑になる場合があります。ですからキャラクター先行の、俗にいう、キャラっぽい若者が増えてしまうのかもしれません。「私って天然だから」とか「私って猫系だし」とか、素直そうなキャラクターにすることで、なんとなく他人から “許される存在” になりたがっている人も多いと思います。ですが、大人になれば分かることですが、誰もそんなものは許してくれません。「子どもじゃないんだから」と一蹴されて終わりです。

 

 たとえば、若くて綺麗なお嬢さんが「私は気分屋だから」とわがままな態度をとったとします。それを許す男性は多くいるでしょう。もしくは、会社の社長が「俺は豪快な男だから」と傍若無人な行動をしたとします。社員なら泣く泣くそれを受け入れるしかないかもしれません。しかしそれらはどちらも、気分屋や豪快さが許されたというわけではなく、ただ単に若いお嬢さんだから許された、社長だから許された、といったように、素直さではなく、許される “立場” であるだけなのではないでしょうか。

 

 みなさんの周りに「この人は素直だな」と感じる人がいると思います。もちろんその人のことをあなたは嫌いではないでしょうし、周りの人からもその人は好かれていると思います。その人の素直さをよくよく観察してみましょう。

 

 その人のいいところ、たとえば優しさだったり大らかさであったり、その質について観察してみると、その人の言動に打算がないというのが分かってくると思います。簡単に言えば、優しいほうがいいことだから優しくしているのではなく、根っから優しい人なのです。

 

 結局、根っこの問題と言ってしまえばそれまでですが、たとえば赤ん坊を育てるとき、赤ん坊は小さくて弱い存在ですから守ってやりたいという気持ちは、実際に小さくてかわいい赤ん坊を目の前にすれば、ほとんどの人が自然に抱く感情だと思います。

 

 ですが、赤ん坊を育てるというのはとても大変なことですから、時には嫌になって投げ出したくなることもあるかもしれません。そんなときに自分を思いとどまらせてくれるのは、赤ん坊は小さくて弱い存在だから守ってやらなければいけないという理屈ではなく、単純に小さくて弱いものを守ってやりたいという素直な感情なのです。もちろん赤ん坊を育てていれば、理性的に自分を律する必要があるときもあります。ですが、最終的には守ってあげたいという素直な感情があってこそできることなのです。

 

 誰でも根底には優しさなどのいいところを持っているわけで、その根っこのいいところを、そのまま表に出せるというのが素直な人の大きな特徴でしょう。

 

 しかし、誰でも根っこにいいところがあったとしても、それを表に出す過程でいいところが変質してしまい、結果的に “素直” ではなくなってしまうことがあるのです。

 

 人間は誰しも、性善説の面もあり性悪説の面もあるものです。それではその、人間の根っこにはいいところも悪いところもあるということを前提にして、“素直 ” についてもうちょっと細かく考えてみましょう。

 

 まず人間の見えないところ(心)を “根っこ” とし、見えるところ(言動)を “表” とした場合、“根っこ” から “表” への過程で変化がなければ “素直”、変化があれば “素直じゃない” とします。“素直じゃない” というのもいい方がすっきりしませんから、素直の反対に近い意味ということで、ここでは “偏屈” としましょう。

 

 変化がないということを素直さの重点と考えると、素直には “根っこ” にあるいいところがそのまま “表” に出るパターン1と、“根っこ” にある悪いところが悪いところのまま “表” に出るパターン2とがあります。反対に “偏屈” には “根っこ” にあるいいところが悪いところに影響されて “表” に出るパターン3と、“根っこ” にある悪いところがいいところに影響されて “表” に出るパターン4があります。

 

 このように考えますと、“素直” にもいい素直と悪い素直があり、“偏屈” にも悪い偏屈もあれば、いい偏屈もあるということになってきます。先に例を挙げた、若くて綺麗なお嬢さんが気分屋だとか、会社の社長が傍若無人というのは、“根っこ” にある悪いところが悪いところのまま “表” に出る、パターン2の悪い素直に分類されるかと思います。

 

 みなさん「素直に生きられたら楽なのに……」と素直さにばかり憧れますが、生きていくうえで重要なのは “素直” であるかそうかというよりも、いい素直さかどうかということであり、逆に “偏屈” がいけないのではなく、悪い偏屈がいけないのです。

 

 いい偏屈とは “根っこ” にある悪いところがいいところに影響されて “表” に出るパターン4です。これは自分の悪いところに気づき直していくという、私がいつも申し上げている悪いカルマを乗り越えていく道と同じなのです。つまり、自分の性格の欠点を直している最中と言えますので、そのまま努力し続ければ、いずれは根っこを直すことができるので、パターン1の本当の素直になれると思っています。

 

 多くの人が “素直” に憧れる理由は、この悪いところに気づいて直していくという大変なプロセスを無意識に回避したいと思っているからかもしれません。

 

 では、心根はすばらしいものを持っているのに、それが言動として現れるときに悪に変化してしまうのはなぜなのでしょうか。

 

 その原因とはズバリ、欲と見栄なのです。せっかくあなたの根っこにあるいいところが、この欲と見栄により表に出るときには得体の知れないグロテスクなものに変質してしまうのです。損得勘定が入り込んできたり、自分と誰かを比べたり、誰かと誰かを比べたり、プライドが高く傲慢になったり、逆に卑屈になったり、欲と見栄がせっかくあなたの根っこにあるいい部分を、表に出る頃にはぐちゃぐちゃにしてしまっているのです。

 

 たとえば、不遇な人を哀れむ気持ちがあっても、実際に手を差し伸べることが損か得かと考えてしまったり、どこかでその人を見下してしまったり、根っこにはシンプルな哀れむ気持ちがあるはずなのに、欲と見栄によりそのまま表に出すことができないことがあります。

 

 これは極めて現代的な不幸の原因なのではないかと思います。

 

 といいますのも、誰しも心の中で善と悪が葛藤しているので、いいところをいいところのまま出すにしても、その過程では悪いところ(欲や見栄)と戦わなければならないということです。

 

 先ほどの根っこにある悪いところがいいところに影響されて表に出るパターン4は、自分の悪いところに気づいて直していくという、悪いカルマを乗り越えていくプロセスと同じと申しましたが、いい部分をそのまま出す素直であっても、結局は同じようなプロセスが必要なのです。いやはや、素直であることも大変なのです。

 

 私たち現代人は自分の感情を言葉にする習慣も多いですし、自分の内面を客観視することが比較的得意な面があるので、自分の中でいいところと悪いところが戦っている状態というのは割と認識できているはずです。ですが、悪いカルマが動こうとしていることにせっかく気づいているのに、それを努力して直し、乗り越えて行くというところで尻込みしてしまいます。気づくというのは悪いカルマを解消していく第一歩でとても大切なことですが、気づけるということは逆に言い訳もできてしまうということと表裏一体です。

 

 どういうことかというと、「自分の根っこにはいいところもあるけれども悪いところもあるから、素直にいいところを表現できない」というのは言い訳です。素直にいいところを表現したいのであれば、欲や見栄といった悪いところを努力して直すほかないのです。それを乗り越えてこそ、素直になれるのです。

 

 ちょっと複雑なお話になりましたが、素直というのはありのままの自分でいればいいとか、我慢したり気を遣う必要がないということではない、というのはお分かりいただけたと思います。シンプルに申しますと、素直であるということでもっとも大切なのは “いい部分を飾らない” ということだと思います。

 

 大人が、それこそ子どものように飾らず素直であろうと思ったら、幾多もの悪いカルマに気づいて努力し直し、乗り越えなければならず、その戦いに終わりはありません。飾らず素直な大人になりたい、老人になっても素敵でいたいと思うならば、悪いカルマとの葛藤に負けないことです。

 

 

 

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