20代の外資系の会社で働く男性が相談にいらっしゃいました。彼の悩みは「上司とうまくいかない」「自分の能力を分かってくれない」「会社を辞めたほうがいいか」というものでした。
透視してみると、彼は職場だけではなく、家の中でも問題を起こしていたのです。
そこで、彼に聞きました。
「家でも親に向かって口ごたえしていませんか?」
「当たり前じゃないですか。意見が合わなければ、自分のいいたいことは強く主張します。それが社会人というものではないですか? それでも親が分からなければ、ある程度、暴力的になってでもやりますよ」
彼は中学の頃、父親の胸ぐらを掴んで殴ったことがありました。それからというもの、両親は何もいわなくなったそうです。
こうした問題があったとき霊障を疑う方がいらっしゃいますが、これは明らかに本人の性格、そして親の教育の間違いから生じてしまった問題です。
この事例の男性は、背負ってきたカルマである「強すぎるエゴ」を未だ克服することができず、また、そのご両親も息子に気づかせてやることもできず、果ては父親が殴られ、萎縮してしまって息子に何もいえなくなってしまいました。
私は彼にいいました。
「上司とうまくいかないとか、今の仕事を辞めるとか、本質的な問題はそういうことではないんです。あなたが持っている性格の欠点を直さなければ、たとえ上司を陥れて降格させても、自分が会社を辞めても、問題は何も解決しません。転職したとしても、また同じことをくり返してしまいます。」
すると、
「私に問題がある? そんな訳ないですよ。私は一流大学を出て、一流の外資系企業で働いているんですよ。周りの人が私のことを過少評価しているんです。本当に腹が立ちます。なんで分かってくれないんだろう!」
「一流大学を出ているとか、一流企業に勤めているとか、それは人間の本質の部分には関係ありません。一流大学に合格し、一流の外資系企業へ入社することは大変な努力と根気がいることですから、たしかに素晴らしいことです。しかし、そこで驕ってしまってはなんの意味もないと思いませんか? それよりも考えなければいけないことがあります。
問題は、あなたが悪いカルマとして持って生まれて来た性格の欠点、ご両親が作ってきた家庭環境、教育の中ででき上がった性格の欠点です。その欠点は何かというと、あなたは人と争うことを恐れない。ぶつかることを恐れない。そして、競争心も強過ぎる。人との和合。調和を考えない。人を人とも思わない。自分のポリシーを貫き通すことだけを考え、間違ったプライドを持ってしまっています。それは、学生の頃に絶大な存在である父親を殴ったことが原因です。そこで心の持ち方、考え方、人間関係というものに対する大きな間違いが生じてしまいました。
そして、その後ご両親があなたのことを恐れて何もいえなくなったことも強く影響しています。そのためにあなたは人を恐れなくなり、やがては上司への強い反発心へとつながっていったのです」
「そんな訳ないでしょう。何をいってるんですか? 私は占い師にもいわれました。絶対に成功するって。絶対に私に落ち度はありません」
「そこに気づかなければ成功などあり得ません。仕事というのはひとりでやるものではありません。必ず、周りに “人” がいます。人と人との関係の中で仕事をする限り、相手とのコミュニケーションというものを疎かにしてはいけません。
人間とのコミュニケーションの中では、否が応にも自分の性格が出ます。そして、人間は自分の悪いところには目をつぶったり、全く気づかなかったりするものです。でも、その欠点に気づいて直さなければ、何も好転はしませんし、成功もしないと思います」
「……。何をいってるんですか? もういいです!」
結局、彼は何も得ることがないままに帰っていってしまいました。
自分の性格の欠点を自ら認めることは、たしかにつらいことです。ある意味、それまでの自分を否定することになりますから、これまで築き上げて来たことが崩れ去ってしまうと思ってしまうかもしれません。
しかし、目先の恐れに囚われてしまうのではなく、これから生きていく未来のことを考えなければいけないと思うのです。この男性は、今は一流企業に勤めて、高額な報酬をいただいているとしても、ちょっとした人間関係のこじれから、すべてが台無しになってしまうことだって、今のままの性格では十二分にあり得るのです。
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