神殿にいらっしゃる方の中には、私が相談者の思うようなことを答えなかったと言って、急に怒鳴り散らしたり、泣きわめいたりする方もいらっしゃいます。
そもそもそういった方の相談というのは、人間関係におけるトラブルであることが大部分です。感情のコントロールが出来ないことが相談の原因につながっているのは、神様にお聞きしなくても分かるほど明確なのに、なにをどう言っても、一度怒り出したり涙したりすると、人の言葉は全く耳に入らなくなってしまうようです。
感情のコントロールがきかない人に申し上げたいのは、自分でも制御できないような感情がわき上がってきそうになったら、言葉を紡ぎ出す前に、なにより先に深呼吸をしてほしいということです。
神殿で耳を覆いたくなるような言葉を吐くのですから、日常では一体どんな生活を送っているのか、とこちらが驚くことも多々あるのです。
あるとき、もうすぐ五十歳になろうかという息子さんの結婚の相談に見えたご婦人がそうでした。
神様にお聞きしてみると、息子さんはこれまでに何度か結婚を視野に入れてつきあっているお嬢さんを家に連れてきたこともあったようです。しかし、そのたび相談者は、息子さんの彼女に対して、あそこが悪い、ここが良くないと文句をつけるのです。
息子さんが彼女をかばうような発言をすると、ますます激高して、いままで育ててやった親とそのへんの女とどっちが大切なんだ、ふざけるなとどんどん言葉が激しくなり、泣きわめくようなこともあったのが見えました。自分の父親との夫婦仲が良くない母親の苦労も見ている息子さんは、半狂乱のような母親の様子を見ているうちに、いつの間にか結婚自体を諦めてしまったようでした。
私が相談者に「息子さんがこれはという女性を連れてくるたび、注意したり、泣き叫ぶようにして、そのお嬢さんとの仲を壊せば、息子さんも考え込んでしまうのでしょう」と話すと、顔を真っ赤にして怒り出し、来るんじゃなかった、あんたなんてインチキに違いないなどと罵詈雑言をはき出したのです。
相談者が私にひとしきり言いたいことをはき出し、すこし落ち着くまで、一切口を挟まずに待っていました。そして、ふと静かになった瞬間、「言いたいことはそれで全部ですか、自分の言い分をがなり立てても、何も変わらないことはあなたにもわかっているんじゃないですか」と言うと、今度は涙を流し、息子が離れていくのが怖くて、自分でも良くないと思っているのに、口からどんどん言葉があふれ出てしまったんですとおっしゃいました。
私は、「あなたにはいま新しい『気づき』を得られました。人生は、ちょっとした気づきで変えることが出来ます。これからもしマイナスの感情がわき出そうになったら、言葉を吐き出す前に十回深呼吸をしてご覧なさい。深呼吸し終わった後には、感情が静まっているはずです。そして、理性的にどうして自分が悲しかったり怒っているのかを原点から考えてみなさい」と伝えました。
相談者は一年後、神殿で得た気づきによって、感情を抑えられるようになったこと、息子さんの結婚が決まったことを手紙で知らせてくださいました。
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