妻としてまず心がけておかなければいけないことがふたつあります。それは、
一、夫のメンツをつぶさないこと
二、夫を立てつつ、陰で上手に夫を誘導していくこと
です。
世の多くの男性は、メンツをつぶされることを嫌います。まして自分の奥さんにプライドを傷つけられるような言動を取られたら、感情的にならないでというのは難しいものです。
例えば、家庭の中においても、子供の前でご主人の悪口や不満をぶつけたり、直接的な言葉でご主人の意見を否定したり、非難するのは大いに問題です。
もし意見が違うのなら、「ねぇ、ここはこうした方がもっと良くなると思うんだけど……」「それもいい考えだと思うけど、もっとこんな表現で提案した方が周りからあなたの評価が上がると思うんだけど、どうかしら……」といった言葉でさりげなく誘導していく方が賢い妻と言えるのではないでしょうか。
できるだけ相手を立てる会話を心がけることによって、ご主人も妻のセンスや判断力の確かさを理解し、前向きな助言を頼もしく感じるようになると思います。
次に、ご主人が心がけるべき点としては、
一、決して人前で奥さんを怒鳴ったり、罵倒しないこと
二、日頃の労をねぎらう言葉や感謝の気持ちを伝えること
が大切なのではないでしょうか。
特に一は、絶対にやってはいけないことです。
相談に来られるご夫婦で、「何をやってるだお前は!」「本当にお前はダメだなぁ……」などと、拝殿の前で平然と奥さんを罵倒するご主人も少なくありません。
このような場合、奥さんは横で身を縮めてうなだれるばかり、といったことが多いのですが、実は往々にしてご主人に原因があるケースが多いのです。
罵倒するのは、相手をないがしろにしている証拠です。
まして妻を怒鳴ることで自分を優位に立たせるという、愚かで独りよがりな態度は横暴なカルマであり、知識不足そのもの。
妻を怒鳴りつける自身の姿を周囲にさらすことで、周りの人が身の置き場のない気持ちになることにも全く気づいていないのです。
また、そこまでひどくなくても、人前で自分の妻の悪口や落ち度をあげつらうのも、奥さんの感情を逆なでするだけで、何の解決にもなりません。
仕事で疲れて気持ちに余裕のないご主人も多いでしょうが、どうか慣れの幸せに流されずに、奥さんの心を思いやる気持ちを忘れないでいただきたいと思います。
たまには、「ありがとう」「助かるよ」と言った言葉をかけたり、食器を片付けるなど、ちょっとしたことでも手伝おうとする姿勢があれば、奥さんもうれしいはずです。
自分の気持ちを相手に理解してもらっていると感じていれば、例えその相手から欠点や注意点を指摘されたとしても、心では素直にそれを受け入れられるもの。そのような日々の心がけが、慣れの幸せに流されることなく、夫婦が共に気づき合い、成長し合える関係になれる秘訣ではないでしょうか。
夫婦はお互いに気づき合うために赤い糸で結ばれている。どうかそれを最後まで忘れないでいただきたいと思います。
私事で恐縮ですが、私と主人は神様が取り持つご縁によって晴れて夫婦となったわけですが、私たち夫婦も四十代の中頃からよく話し合い、率先して気づくことを心がけてきました。
しかし、正直に申し上げると、最初の頃は気づきということがここまで大切だとは思っていませんでした。
もし私が神に仕える仕事をしていなかったなら、気づきの大切さについて考えもしなかったかもしれません。
親しい人から欠点を指摘された時こそ、気づく。その時こそ、自分をふり返り、欠点を改めるチャンスです。
それができれば、自分自身の心の成長と共に、相手に対する理解力や判断力も養われます。晴れて結ばれ、人生のパートナーになった者同士、ぜひそんな気づき合える素敵な関係を築いていただきたいと切に願っています。
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