「私は◯◯大学卒」とか「有名企業に勤めている」、「昔は勉強ができて成績が良かった」などと、昔とった杵柄をいつまでも自慢しているようなタイプの方々は、それが他人にはピエロのように見えていることさえ気づかない……。
これが、本人が気づけない大きな理由の一つです。
「自分は何でも知っている」「すべてわかっている」という気持ちに支配されているがゆえに、他の知識、自分が知らない知識、常識、良識などに目を向けようともせず、そのためいつまでも正しい理解力や判断力が養われないため、「知識不足ゆえの苦しみ」を自ら招いてしまっているのです。
まさに「井の中の蛙、大海を知らず」ですが、この言葉は、「ことわざ辞典」にこう説明されています。
知識や見聞の狭いことのたとえ。また、自分の狭い知識や見解にとらわれて、他に広い世界があることを知らないたとえ。小さな井戸の中に住む蛙は、大きな海のあることを知らないという意から。世間知らず、一人よがりを戒めるときに用いられることが多い。略して「井の中の蛙」「井蛙」ともいう。
(新明解故事ことわざ辞典 第2版 2016年5月1日 三省堂編修所 三省堂)
人との交流において、何かしら問題やトラブルが起きてから、そこで初めて自分の側に問題があったことに気づく人も多いと思いますが、常日頃から幅広い知識を得る努力を続けていれば、大きな問題になる前に衝突を避けられるはずです。
「こうすればこうなる」と正しい予測ができるので、いらぬ誤解を生んだり、相手の感情を逆なでするようなこともしなくてすむからです。
ところが、知識が不足していると、相手に対する理解力や想像力が乏しくなって、人との交流もうまくできず、ごくごく狭い世界しか通用しない器の小さな人間になってしまいます。
例えば、「言っていいことと、悪いことがある」ということを知らないために、対人関係で失敗する人がいますが、それも知識不足、つまり物事を知らないがゆえに自らが招いた結果なのです。
そのような知識不足の人は、相手の立場や気持ちを考えられず、何でもかんでも思ったことをそのまま言葉や態度に表してしまうクセがあり、知らず知らずのうちに相手の感情を逆なでしたり、反感を買ってしまっているのです。
しかし、残念なことに、その当人が「原因は自分の知識不足である」ことさえ気づけないのです。まさに「気づかなければならないことにさえ気づけず」苦しんでいる。
それが子供の場合には、わが子がクラスの中で言ってはいけないことや行動をしているのに気づけずに、孤立しているわが子に対して、「子供がいじめにあっている!」と一方的に周囲が悪いと決めつけることもある。
しかし、それはそもそも親が子育ての知識不足ゆえに、結果としてそのような事態を招いていることもあるのです。
ようは、親が知識不足(物事を知らない)で人との関わり方や心の大切さを子供にも教えられず、やがて子が親と同じ失敗をする__これを連鎖と言います。
相手の気持ちをおもんぱかって話すということを、親が手本を示すことも知識として教えることもしていないので、子供もそれができずに周囲から孤立してしまうのです。
大人の社会であれば、「あの人、空気が読めない人だね」などと陰口を叩かれる程度ですむかもしれませんが、子供の場合は、ある面、残酷な言葉や態度を取ることがあります。
心の問題は深刻な問題ですが、わが子がいじめに合わないようにするためにも、子供の言動を冷静に見られる親の判断力が求められるわけで、そのためにも幅広い知識を身につけておくべきではないかと思います。
人の世に生まれたわけは、「心を直す修行のため」と言われますが、人生における悩みの大半は人間関係で、すべて相手があって起きます。
そこで、気づけない人と気づける人では、両者の感情や幸福感はまったく異なります。
気づけない人は、ただ相手に対する批判、憎しみ、妬み等々、心が休まることもなく、悶々とする日々が続きます。
気づける人は、「あぁ、あの人は気づけないでいる……。可哀想! 自分は気づけて幸せ!!」と、大きな心の差が出るのです。
【YouTubeチャンネル】
「運命が丸裸になる」と、
驚きの声、声、声!!
【木村藤子の公式サイト】
【私にご質問いただけるメルマガはこちら】
foomii もしくは まぐまぐ で登録できます。
YouTubeチャンネルはこちら。