青森の神様 木村藤子の公式ブログ 日々の暮らしから得る気づき

透視人生30年以上のキャリアで培ってきた、誰しもが幸福になる生き方、考え方をお伝えします。

無念さをぬぐいきれない体験 

私の忍耐力は、無念さをぬぐいきれない目にも度々出会ったことで鍛えられました。

 

ある時、30代の娘さんが相談に訪れました。仮にTさんとします。

 

私が透視で見ると、Tさんは対人関係でトラブルを起こして、その結果、精神バランスを崩していました。

 

彼女は他の人にいっていいことと悪いことがわからず、周囲から孤立していたのです。そこで、私はこういいました。

 

「あなたは、その時によかれと思ってやったかもしれないけど、それは一般常識からすると間違った言葉や行動だった。そのために、周りの人たちは違和感を覚えるようになって、あなたを避けるようになったんです」

 

職場で村八分状態になったことで夜も眠れなくなり、突然夜中に起きて一人言をいったり、わめくなど精神バランスを崩してしまったTさん……。

 

ところが以前、Tさんがある自称霊能者のところへ相談に行ったところ、Tさんの精神が不安定になった理由は、「キツネの霊が憑いているから」といわれたそうで、それを真に受けたTさんは私に対して「除霊してほしい」の一点張りでした。

 

これも、自己責任を他の人(この場合は霊)のせいにする典型的なケースです。

 

そこで、

 

「そうじゃないですよ。こうなったのは、あなたの性格上の問題、心の知識不足だということを理解してください。なぜそうなったか、よくその原因を考えたうえで、心療内科などの診察も受けるように。そうすれば必ずよくなりますから」と伝えました。

 

問題が起きた原点を本人がよく理解し、自分の欠点を自覚したうえで、場合によっては薬を飲むことで精神状態が回復することもあるからです。

 

しかし、Tさんは納得できない様子でこういいました。

 

「私の頭がおかしくなったというんですか?」

 

次の相談者の時間が迫っていたこともあって、その時Tさんは納得できないまま拝殿を後にしました。

 

それから数日後の夜、Tさんの父親から突然電話がかかってきました。

 

「◯◯の父親です」

 

「……?」

 

いきなりそう名乗られても、毎日多くの相談者が来られているので、すぐには思い出せません。

 

相談内容は覚えていても、相談者のお名前は忘れてしまっていることが多いのです。

 

私がTさんのお父さんであることを確認したら、その父親は「娘が心療内科に行けといわれてショックを受けて帰ってきたんですが……」と最初は穏やかな口調でいいました。

 

「はい、そのように勧めました」と私。

 

すると今度は口調が一変しました。

 

「そんなばかなことがあるか! 娘は大学も優秀な成績で出ている。心療内科などに行く理由なんてまったくない。いったいどういうつもりで人から金を取って人をたぶらかしているんだ!!」

 

と、電話口で大きな怒鳴り声をあげたのです。

 

私がいくら冷静に事情を説明しても、まったく聞く耳を持ちません。

 

そして、さらにこの後、驚くべき言葉が出てきました。

 

「私は学校の教師をしているんですよ!! うちの娘も優秀で、絶対に心を病むような子じゃない」と。

 

『えっ、学校の先生!?』私は思わず耳を疑うと同時に、『いったいなんのために教師をしているの?』という思いが一瞬よぎりました。

 

しかし、何も言葉を返さずに飲み込みました。これ以上ここでこの方にくいさがったところで、こちらのいうことを理解できないし、かえって煽ることになると思ったからです。

 

冷静に話し合えばわかりそうなものですが、「教師をしているから」「優秀な成績で大学を出ているから」自分たちにはなんの落ち度もない。悪いのは娘をのけものにした人たちで、そのせいで娘が傷ついているのに病院へ行けとは絶対に許せない!

 

もし心底そう思っているのなら、教師としても正しく人を指導することはできないでしょう。

 

それが小学校であれ、中学校であれ、高校、大学であってもその程度の理解力や判断力しか持ち合わせていないのであれば、生徒に対する指導はもちろん、保護者に対してもまともな対応ができるとは到底思えません。

 

仮に、教師として問題を起こした子供の親と保護者面談をするにしても、そこで正しい理解と判断ができないと適切なアドバイスができず、親も何が原因かわからないまま、ただ一方的に子供を叱りつけるか、子供のいうがままになってしまう可能性が高いからです。

 

大学の教育学部を出て教職に就き、「先生、先生」といわれてその気になってしまい、「常に謙虚な姿勢をもって、新たな知識を学ぼう」とはしない人は、まさに井の中の蛙で、プライドだけの知識不足、勘違いもはなはだしいといわざるを得ません。

 

まして、親として、子供に対してしっかりとした教えができなかったならば、それ自体が新たな罪をつくっているのです。

 

子供の頃にしっかり教えられ、育てられたことは、その子にとっては一生の財産になります。

 

それを親がただ「可愛い、可愛い」とばかりに、人として大切なことをしっかりと教えてこなかったとしたら、とても心の貧しい子供になってしまいます。

 

「娘は悪くない」といい張り、私のことを罵倒していたTさんの父親が、本人を連れて再び相談にやって来たのは、それから数年後でした。

 

Tさんはうつになっていて、一人では来られないために、父親が車に乗せて夜何時間もかけて、やっとの思いでここに辿り着いたといいました。

 

娘さんはかなり症状が悪化していた様子でしたが、その時にも、私は以前と同じことをお二人にお伝えしました。

 

ところがそれから数年後……。

 

Tさんは首をつって自殺をしてしまったのです。

 

大事な娘を失ったTさんの父親は、その後、夫婦で再びここにやって来ました。

 

そこで、初めて「自分の間違いに気づきました」と謝罪の言葉を述べ、娘さんが亡くなった時の様子を聞かせてもらいました。

 

ある日、ご両親は娘の様子が変だと気になって、思いたったように車に乗り、何時間もかけて一人暮らしをしていた娘さんのマンションを訪ねたそうです。

 

合鍵を使って玄関の扉をあけ、先に部屋に入った母親が、うめき声のような声を発しながら父親の名を呼んだといいます。

 

その声を聞いた瞬間、父親には悪い予感が脳裏をよぎります。

 

部屋に入ってみると、まさにその予感が的中し、そこには見るに堪えない憐れな娘の姿がありました。

 

わが子の無残な姿を目にした時、「からだ中の血が引いて、細胞がすべて粉々に砕けていくような感じがした」と父親は語りました。

 

ダメなことはわかっていても、無我夢中で心臓マッサージをしながら、妻に向かって「早く救急車を呼べ!」と叫んだ……それから後のことはよく覚えていないそうです。

 

私はご両親の話を黙って聞いていました。

 

「ここに来ると、まるで娘に会いに来ているような気がします」とご両親はいいました。

 

わが子を亡くした深い悲しみを神殿の前でわかちあうことで、少しでも気が収まるように思ったのでしょう。

 

しかし、私とて子を持つ親、Tさんに対する情がありました。

 

それゆえ、そんな憐れな末路を聞かされて、やるせない無念さでいっぱいになりました。

 

できることならTさんを助けたかった、救いたかった……。

 

取り返しがつかなくなる前に、なぜ、あの時に気づいてくれなかったのか?

 

あなた方ご両親が変わっていれば、たとえあの子の運命であったとしても、もしかしたら助けられたかもしれない。

 

私はTさんのお父さんに謝ってもらいたいのではなく、罵倒されたことなど関係なく、ただあの時にそのことに気づいてほしかった。

 

しかし、時すでに遅しです。

 

彼女が亡くなってしまった以上、もう手の施しようがありません。

 

あの時点で、Tさん親子が少しでも早く気づいて改めることができたならば、彼女は心の病を克服して、明るい人生のシナリオを描けたかもしれない……。

 

そう思うと、今も無念さが込み上げてきます。

 

 

 

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