自分で自分に対して行う評価と、相手が自分に対して行う評価というのは、ギャップがある場合があります。
ある30代の男性は、自分の〝思い〟が相手に伝わらないばかりか、逆に悪い印象を与えてしまうと言います。
それが原因で、1〜2年で仕事を変わっているそうです。人よりも倍働いて、みんなのために尽くしているつもりなのに、「怖い」「きつい」と言われてしまうそうです。
自分では悪意はまったくないのにも関わらず、周りからの評価がよくないため、今後どうしていったらよいのかがわからなくなってしまったのです。
彼は、今まさに気づきの一歩手前にいる状態です。
周りの人から「怖い」と言われる理由を今一度よく考えてみる必要があります。周りの方がそう言うのには、必ず理由があります。それを知ることが、気づきにつながります。
彼は自分では気づいていませんが、言葉の使い方(選び方)や口調が、相手に対して威圧感を与えてしまっているようです。これは、人一倍働く彼のまじめさとはまた別の話です。
どんなにまじめに働こうと、人とのコミュニケーションをうまくとることができなければ、相手は自分に対して「怖い」とか「人当たりがきつい」とか、そのようなネガティブな感情を持ってしまいます。
気づきの第一歩として、まずは「私はこんなにやっているのに何で周りは認めてくれないの!」とか、「自分は絶対に悪くない。周りが自分のことを理解していないだけだ」といったような考えは捨て、周りからの指摘に真摯に耳を傾けるべきです。
人生を生きていると、経験上なるべく人とぶつからないようにしますから、わざわざ相手の欠点を言う必要もなく、多くの場合「あの人はいい年して……」といったように、心の内にとどめて距離をとられてしまうものです。
そう考えると、周りに注意をしてくれる人がいたということは不幸中の幸いですし、そして彼が注意されたことが引っかかって考えたということが、気づきへの第一歩なのです。気づけない人は、周りから注意をされても自分に何か問題があるとは夢にも思いません。
「自分のことは自分がいちばんわかっている」と多くの人が思いがちですが、時として周りの人のほうが自分のことをわかっている場合も往々にしてあります。周りの人は、あなたが頭の中で考えていることを知ることはできません。自分は頭の中で考えていますから、今自分が何を考えているかを知っていますが、相手にとってはあなたの言動がすべてです。いくら頭の中でよいことを考えていても、言動が人を傷つけてしまうものであれば、それが現実ということになってしまいます。
そのことを理解してこそ、周りの人の声というのは幸せへの道標であるといえます。
人とのコミュニケーションというのは実に複雑です。それは、「自分のことを理解している」「相手のことを理解している」という思い込みがそうさせるのではないでしょうか。
人からの注意というのは、〝他人が見ている自分〟を知ることができる唯一の手がかりです。自分自身では〝他人から見えている自分〟を知る術はありません。
彼の場合は、心は優しいのですが、言動が相手を勘違いさせてしまっていました。彼は無口なところもあるので、うまくコミュニケーションをとれていなかったのです。
人は人の些細な言動から相手を判断しがちです。
彼は使う言葉が悪かったり、相手の目を見て話さなかったり(照れ)、中身と言動が伴っていないだけなのですから、その部分を直していけばいいのです。
人はなかなか常日ごろから、自分の言動を終始〝意識〟することは多くありません。何かひと言話したあとすぐに「今のは相手にどう伝わっただろう」とか「こういう話し方をすればよかった」とは思わないものです。
しかし、こういった細かいことを意識していくことで、自分の欠点は直していくことができます。
人生を80年として物事を考えるとすれば、5歳のときの自分と、30歳のときの自分は、当然ながらかなり違う人物でしょう。20歳のころと、70歳のときの自分も変わっているはずです。
そのように、人間というのは変化の早さの差こそあれ、少なからず変わっていくものなのではないでしょうか。自分の欠点を指摘されたときというのは、「そんなはずはない」と、受け入れようとしません。プライドが邪魔をするのです。
しかし、人間というものは変化していくもの。よい方向に変化していってこそ、常に幸せであり続けるのだと思います。
〝今の自分〟を変えることは一見、恐ろしいことかもしれませんが、現実問題、人から指摘されているのであれば、熟考して変えていく必要があるということなのです。自分で自分をがんじがらめにして、茨の道を歩み続けるほうが恐ろしいことなのではないでしょうか。
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