一昔前あたりまで、男尊女卑という連鎖が残っていて、この連鎖は、長い間、社会風潮の如く「当たり前」のことのように見過ごされてきました。
例えば、一家の長である父親は絶対的な存在で、食事のおかずは他の家族とは違って、肉でも魚でも必ず一品多く用意したり、入浴もどんな時にも父親が一番先に入る、どんなことを言われても口答えしてはいけない、など権威の象徴でした。
私も驚いた話なのですが、ある地方では、どんなに大量の魚が捕れたとしても女性たちにはそれを一切食べさせず、男性だけで食べるという風習があったそうです。
「新鮮で美味しいものほど一家の長が食べるもので、口がおごってくるため、女、子どもには絶対食べさせない」という考え方。このような女性蔑視の風習は、今の若い人からすると信じられないかもしれませんが、昔はそれなりにいろんな地方でけっこうあったようです。
主婦である相談者のSさんによると、70代のご主人は、そのような男尊女卑の家庭環境で育ったため、妻に対して「美味しいものを分け与えてあげよう」という気持ちなどわかないと平然と言っていました。
Sさんのご主人は、他人には愛想が良く、仕事の一生懸命に頑張る人。ところが、とてもプライドが高く、貧しかった自分の妻のことを見下す。
それゆえ、自分だけは家で新鮮な魚を美味しそうに食べていても、子ども達には食べさせようとはせず、職場の皆で食事に出かけ、たくさんの料理を前にしても、妻の分までも平然と自分が取って食べ、決して分け与えようとはしないと言います。
このがめつさは、ご主人の方の親戚一同の男性陣にも共通していました。
Sさんは夫婦で事業をしているにも関わらず、妻を見下すだけで、「恥ずかしくて人前にも連れて行けない」と、本人の前で平気で言葉に出します。
ある時、私はSさんのご主人にはっきり言いました。
「それは、あなたが若い時から奥さんに何もさせないから、奥さんがものを覚えられないのでは?」と。
自分の妻のことを、貧しい家庭で育ったからと軽蔑し、人間扱いしていないから、何もさせない。その結果として、奥さんは「何もできない女性」になってしまったのです。
こうした男尊女卑も、代々続いてきた悪しき連鎖です。
ご主人の両親は、毎日夫婦喧嘩が絶えなかったと言いますが、そのような親を反面教師にできなかったのは、連鎖の中で自らの不足に目を向けられなかったからで、ご主人も物事に気づけないのにプライドは高く、「自分はできる人間」と勘違いしているだけで、それでは事業も良くなるはずはありません。
若い方々の中には、「うちはそんな封建的な家庭じゃないから関係ないわ」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、おじいさん、おばあさんの世代ではそれが「当たり前」のような状況であったし、今でもそのような連鎖でみじめな思いを強いられている女性たちがいるのも事実です。
内容の違いこそあれ、「愛情の持ち方」や「人を見下す」ことも、連鎖として継続されているのです。
これは男尊女卑に限らず、無知から生じているあらゆる連鎖と同じで、今の世代にもまた別の連鎖が息づいている、そのことにも、ぜひ目を向けていただきたいものです。
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