私たちは、無意識のうちに他人と自分を比べてしまうものです。そこから生まれる嫉妬は、怒りへと発展するものです。
「人と比べても意味がない」ということは大昔から言われ続けてきたことですが、今の時代になってもやめることができずに、私たち人間は苦悩を抱えます。
もちろん、自分と他者を比べ、そのことによってやる気が出て頑張って結果を出せる、ということもあります。
よきライバル関係というのは、まさにその典型です。お互いに「負けたくない」という気持ちを持つことで切磋琢磨でき、成長していくという状態です。
ですから、1から10まで嫉妬はいけません、ということではないのです。
日々の生活の中で、バランスをいかにとるか? を考え、嫉妬をなくそうとするのではなく、うまくコントロールしていこうとするほうがよいのではないかと思います。
嫉妬をしているときの状態を考えてみますと、非常にわがままになっていることがわかります。
たとえば、同期入社なのに相手のほうが給料が高いとか、自分よりもいい家に住んでいるとか、自分より相手のほうが容姿が優れているとか嫉妬はさまざまですが、すべての嫉妬に共通しているのは、相手の内実を知らないのにもかかわらず、「自分は劣っている」「不幸なんだ」と決めつけてしまうことです。
こういうことが日常化すると、どんどん人生の質が下がっていってしまいます。
なぜなら、日常で他人の幸せを目のあたりにするたびに落ち込み、どんどん卑屈になっていってしまうからです。そのような人は、周りから人がどんどん離れていってしまうのです。
恋愛で考えてみればわかりやすいのではないでしょうか。
一度、嫉妬心が芽生えると、恋愛においてはその気持をさらに暴走させてしまう行動がよく見られます。
自分の嫉妬心ゆえに、相手の携帯電話を見るとか、相手の行動を逐一、束縛するとか、相手に呪縛をかけようとしてしまいます。
それでは、ふたりの絆がどんどん細くなってしまうばかり。
人間と人間の関係性というのは、お互いに自立しているからこそ強くなっていくのですが、嫉妬をぶつけると、相手は「信頼されていない」と感じ、気持ちが離れていってしまうのです。
また、嫉妬心は怒りと同じで、冷静な判断力を失わせ、被害者意識を埋め込みます。携帯を見るとか、相手を束縛してしまうのも、相手のことではなく、自分のことばかり考えてしまっているからなのです。
では、嫉妬とうまくつき合っていくのはどうすればよいのかというと、相手の “事情” を考えてあげることです。
シンプルすぎるがゆえに「そんなことで……」とお考えになられるかもしれませんが、物事の答えというのはいつもシンプルなものです。
「相手のことを考えた言動」と、「自分のことだけを考えた言動」というのは、明らかに違いが出てきます。その気持を強く持ち続け、意識することで、徐々に人間は変わっていくものなのです。
たとえば、同僚が自分よりも早く出世したとします。
すると、勝手に妄想を作り上げ、「自分よりも先に出世するのはおかしい」「自分はついていない」などと思ってしまうのですが、出世するのには出世するなりの “理由” が必ずあります。
リーダーシップの発揮できない、利益も出せない、いつも遅刻してくるような人がいたとして、果たして出世できるでしょうか?
出世するのはそれなりの理由があるのですが、嫉妬が多い人というのは、こうした因果関係を考えることができず、妄想によって間違った判断をしてしまうのです。
この世で起こるすべての物事には因果関係があります。
今、目の前に見えているものすべて、無から突然の今の状態になっているのではなく、1、2、3,4,5……10という過程を必ず積み重ねているのです。
因果の法則は、すべての事象に当てはまります。原因がなければ結果はなく、結果がなければ原因もないということです。
嫉妬が消えないのは相手の事情をほとんど考えていないからです。
相手に何かよいことがあったら、素直に「よかったね」と思える気持ちを意識的に持つことです。最初は心からそのように思うことができないかもしれません。いくら「よかった」と思おうとしても、「でも、いいなぁ……」という気持ちは芽生えてきてしまうものなのです。
このように当然のことに抗おうとして苦しんでしまうのが人間というもの。
嫉妬も怒りも、ありのままの自分を受け止め、よく観察し、自分という人間を飾らずに自覚することで、心は穏やかになるでしょう。
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