相談者の中でも特に多いのは、社会的地位の高い夫を持つ妻が、自分までもが「偉い」「人よりも優れている」と思い込んでいて人を見下し、そのあげく、子育てにおいても失敗してしまうケースです。
このプライドがとてもやっかいなのは、本人がその愚かさに気づいていないことです。
Mさんは、とても面倒見のいい人で、いつも人の相談にもよくのっていたことから、たくさんの人たちから慕われる、地域でも評判の人格者でした。
ところが、そんな陰徳を積んでいるMさんのことを知らない親類のNさんは、Mさんのことを見下していました。
その理由は、Nさんのご主人は弁護士で、「自分は◯◯の妻である」というだけで人よりも偉いと勘違いしていて、Mさんのことを「あの人はただの主婦だから私よりも下」と勝手にランク付けをしていたからです。
ある日、Nさんの実家で不幸があり、Nさんの兄が喪主を務めて葬式をすることになったことから、そこに親類であるMさん夫妻も参列しました。
遺族の焼香が終わってから、親族たちが焼香台に続き、Mさんたちの番が終わって席に戻ろうとした時、Nさんの実家の親類一同が直立不動の姿勢になって、Mさんに向かって深々と頭を下げ、しかも数人が車までゾロゾロと連れだって見送りに出てきたのです。
親戚一同にとっては、日頃から何かとMさんに相談にのってもらっていたり、お世話になっていて、「忙しい中をわざわざ来ていただいて」との感謝の念を込めてそのような行為をしたのです。
普通、葬式会場ではそこまですることはないので、傍にいたMさんのご主人も、「有難いことだね」と。
その光景を見ていたNさんは、「なぜあの人に親戚一同が揃いも揃って頭を下げるのか?」と驚いたようで、まさに青天の霹靂だったようです。
日頃から陰徳を積んでいたMさんのことをまるで知らず、「自分は弁護士の妻だからMよりも上だ」と思い込んでいたために、そのMさんに対して親戚一同が深々と感謝をしている姿を見るまで、自分のプライドに気づけなかったNさん……。
実際、Nさんのように社会的地位だけがすべてと思っているような人がとても多く、相談を受けている中で驚くことが多々あります。
自分の主人が医者や弁護士であるというだけで、「自分は偉い」と思い込み、その根拠のないプライドゆえに人を見下す。その傲慢さは子育ての歪みとしてそのまま表れます。
自分が人より偉いと思い込んでいるプライドの高い親は、子どもに対しても、自分が望むような人生を歩むべきであると、身勝手な躾をしたがります。
そうなると、子どもはどっぷりその連鎖の中にはまり込みながら、親と同じ環境の中で育っていくことになり、心を養うことよりも、社会的地位優先となって、対人関係がとても淋しいものになるのではないでしょうか。
自分のプライドが満足できないと、人との交流や会話がうまくできなかったり、心の葛藤を持ったまま成長していくことになり、やがては精神のバランスを崩してしまう……。そういうケースも少なくありません。
中には、いじめにあったり、引きこもりになったりして自分の中で苦しみを抱え、さらにひどい場合には、ある日突然、ビルから飛び降りたり、首を吊ってしまうことさえあります。
実際に、わが子が自殺をしてしまった後で、相談に来られる親御さも少なくありません。
「一生懸命育てたはずなのに、どうして?」と声を振り絞る姿には、かける言葉さえ見つかりません。
「親としていったい何が不徳だったのか?」
「自分のどこに問題があったのか?」
「結果的に子どもを追い込んだのは自分のプライドだったのではないか……」
せめて、そのことに気づいてもらえれば……わが子が命をかけ、カルマ、連鎖を切るお役目をしてくれたのですから。
そうであれば、亡くなった子も報われるでしょうし、その親もカルマの共有者としての気づきが得られるはず……。
プライドゆえに人生をしくじってしまった人の例は、他にもたくさんあります。
知らないうちに人を見下すプライドを背負って、地獄の入り口に入っていく「裸の王様」にならないためにも、人や人生にとって本当に大事なこと、決して忘れてはならない大切な心とは何かを深く考えて、幸せな道のりの人生を歩んでいただきたいと思います。
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