私のところに相談にいらっしゃる方々の悩みは、百人百様で実にさまざまですが、願いはただひとつ。それは「幸せになりたい」という願いです。
そうであるのに、なかなか幸せをつかむことができずに悩み、もがき苦しんでしまう……。相談を受ける拝殿の前で、これまで、いったい何人の方が涙をこぼしたことでしょうか。
とはいえ、そもそも、幸せと不幸せの分かれ道は、それほど大きく隔たっているわけではありません。
では、なぜ、幸せの道へと進んでいけないのでしょうか。
それは、自分の本当の姿、ありのままの自分というものを見ていないからではないか、と私は考えています。いやなところは見たくないといった心理が無意識に働いたり、自分をつい美化してしまうといったこともあるでしょう。
いずれにせよ、自分のことを客観的に見ることができないために、欠点にも気がついていないわけです。
そして実は、そこに大きな問題があるのです。
長年、その欠点を抱えて生きてきたために、当人にとってはそれが当たり前となっていることも、欠点に気づけない大きな原因といえるかもしれません。
実際、私が相談者の方に対し、その方の幸せを願って、透視力によって見た事実、神が見せてくれたその方の欠点をお伝えしても、「そんな欠点はない」と頑として認めず、受け入れようとしない場合が実に多いのです。
なかには、欠点を言われたことを、まるで自分のことを非難されたかのように受け止め、自分を正当化する言葉を延々としゃべったり、泣いてしまう方もいらっしゃいます。そのたびに私は、
「どうしてわかってくれないのだろうか」
「ここにさえ気づいて、直してくれたなら、幸せになれるのに……」
と、残念でたまらない気持ちになります。
そもそも、完璧な人など、この世の中にはひとりもいないわけですから、欠点があることが悪いと言っているのではないのです。
問題は、自分の欠点に気づかないことです。それによって幸せを遠ざけていることが私にはわかるからこそ、どうにかして気づいてほしいと、嫌われるのを覚悟でお伝えしているわけです。
つまり、その方の欠点を告げているのは、神の部下として、その人を救いたい、直したい、教えたいという一心からなのです。そのことを理解してもらえないときほど、霊能者として無念を感じざるを得ないことはありません。
いずれにしても、自分の欠点に気づく、心を開いて自分を見る、客観的な視点を持つということは、本当に大切なことです。
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