大学生から30代前半にかけての子どもを持つ親の悩みで多いのは、ニート以外に借金の問題があります。
消費者金融での借金や、さらに、今はカードひとつで簡単にお金を借りられるシステムもありますので、軽い気持ちでお金を借りる方が多いのですが、そのうちどんどん借金額が増えていき、ついには返せなくなって親に泣きついてくるというケースが多く見受けられます。
普段は家に寄りつかなくても、遊びやギャンブルで散財した挙げ句、借金で首が回らなくなるたびに親のもとに帰ってきたり、また、ニートや引きこもりで家にいる場合でも、今はネットショッピングが発達しています。
部屋でインターネットをしている間に何かほしくなり、お金はないけれども購入する、といった安易な気持ちで次から次に商品を注文してしまうという相談も、最近、増えてきました。
ただ、私のところに子どもの借金問題で相談においでになる方を見ていますと、親にも不備があるのではないかと思うことがたびたびあります。
たとえば、こんな方がおりました。
その方が息子さんの借金問題で相談にみえたのは、その日が3回目でした。その方と私のやりとりは次のような感じのものでした。
「この借金を返してくれたらもう二度とお金は借りない、と息子が言うので、それを信じて返済したんですが、先月、またお金を借りた会社から電話が入りました。どうすればいいでしょうか?」
「私は前にも申し上げましたが、借金を肩代わりするのは息子さんのためになりませんよ」
「それはわかるのですが、でも、目の前で困っている息子を、親としては見殺しにするようなことはできません。息子は、今度こそは約束を守ると言っているのですが、信じてはいけないですか?」
子どもが借金をした場合は、最初が肝心です。
もうこんなことはしないだろうといった甘い判断で子どもの借金の肩代わりをしてしまうと、それに甘えて借金を繰り返すことになってしまうのです。
中には、40代や50代になっても親に甘え続け、高齢になった親が子どもの借金に追われるというケースも多くあり、これも無視できない実態です。
また、子どもを有名大学に行かせていると、ただそれだけで必要以上に子どものことを信用することも多く、それが問題を大きくする原因になることもあります。
つまり、「学歴が高いからそんなバカなことはしないだろう」といった気持ちが現実を見誤らせ、子どもの借金を肩代わりしてあげたり、「お金を貸して」と言われるままにお金を出してあげるものの、気がつけば親のほうがお金の工面に苦しむことになってしまうのです。
こういったケースの場合、親が大学を出ていない場合が多く、たとえば、子どもに大学の授業で必要な参考書を買わないといけないからお金を貸してくれと言われると、それ以上何も聞かずに疑うこともなく、「そんなものか」と思いお金をどんどん出してあげる場合が多いようです。
いい親や理解ある親でいたいという気持ちで、子どもの借金を肩代わりしてあげたり、いくらでもお金をあげているのだとしたら、それは明らかに間違っています。
子どもへの愛情があればなおさらのこと、お金の使い道はしっかりと把握しておかなければいけません。
また、借金を繰り返すような子どもは、子どもの頃にお金の扱いについて、正しい知識や考えを身につけられなかった場合が多いように思います。
では、親としてどのように子どもに伝えていけばいいのでしょうか。
「お金」ということがテーマなだけに、親自身、何を教えればいいのかわからない、という方も多くいらっしゃるかと思います。
しかし、何も難しく考える必要はありません。
たとえば、子どもが小さい頃、近くのお店にお使いに行ってもらうことがあると思いますが、その際、軽い気持ちでおつりをあげたりせず、少額でもきちんとレシートとおつりは確認するとか、月のお小遣いもきちんと定額とし、その中でやりくりすることを覚えさせるなど、そうした日常の些細なことから、お金の大切さや、お金に対するケジメ、親は子どものことをちゃんと見ているよということを認識させていくことが必要かと思います。
また、今まさに我が子の借金問題でお悩みの場合ですが、いちばんに考えなければいけないのは、「お金を返済する」ということだけでなく、二度と同じことを繰り返さないようにさせることです。
でなければ、親がお金を肩代わりしたものの、また子どもが借金を作ってしまう、という堂々巡りになる可能性があるのです。そのために、親が貯金を全部使い果たしてしまったといった相談もありました。
借金を肩代わりしてあげるというのは、表面的な「借金を返済する」という問題の解決にはなります。しかし、本質的な問題はそこではなく、「借金を繰り返してしまう子どもの生き方」にあるのです。
ここがわかっていないと、なんの解決にもなりません。
もちろん、現実問題として、親が借金を肩代わりしなければどうにもならないということもあると思いますが、そのようなときは親として、借金額がいくらなのか口頭で聞くのではなく、きちっと明細を見ていくら借金をしているのか、また利子はいくらなのかということまで把握しなければいけません。
また、ただお金を工面してあげるのではなく、そのお金は子どもから親にきちっと全額返済させたり、返済に行くときも一緒に行ってちゃんと支払っているか確認したり、そのくらいの厳しさ、徹底ぶりが必要です。
「そこまでやらないとダメなの?」と思う方もいると思いますが、小さい頃から積もり積もったお金に対する間違った価値観を直すには、そういった親の行動が大切なのです。
命より大切な愛する我が子に、お金に対する正しい知識を教えることもできず、そして間違ったお金に対する価値観を直すこともできずに子どもが同じ過ちを繰り返してしまうのは、あまりにも悲しすぎる現実です。
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