人間の思考や判断には、必ず偏りがあります。こうした偏りはさまざまな種類がありますが、たとえばふたつのこと(aとb)を短絡的に結びつけてしまう心理的な偏り(思い込み、勘違い)についてお話ししたいと思います。
aとbを短絡的に結びつけてしまう心理的な偏りとは、aとbの間に因果関係や相関関係があると〝思い込んでしまう〟ことです。
例えば、「雨が降ると→気分が悪くなる」とか、「黒猫を見ると→不幸になる」とか、「自分は運が悪いから→何をやってもうまくいかない」とか、そういう考え方です。このような思考回路は、以下のようなメカニズムで生じます。
- 偶然の一致や個人的(主観的)な経験に基づいて、aとbの間に関連性があると思い込む。
- aとbの関連性を裏付ける情報を探して集める。
- aとbの関連性を否定する情報を無視する。
- aとbの関連性を強めるように記憶する。
- aとbの関連性を他人にも信じてもらおうとする。
このようにして、aとbの間に因果関係や相関関係があるという信念が自己的に強化されていきます。しかし、この信念は客観的な根拠や論理的な推論に基づいているわけではありません。実際には、aとbの間には何の関係もないか、あっても弱いか不明確なものかもしれません。それでも、aとbを短絡的に結びつける思考の罠に陥ってしまうと、以下のような問題が起こります。
- 無駄な努力や行動をしてしまう。
- 本当の原因や解決策を見逃してしまう。
- 不合理な恐怖や不安を抱えてしまう。
- 自分や他人を不当に評価してしまう。
例えば、「雨が降ると気分が悪くなる」と思っている人は、雨の日は外出しないようにしたり、気分転換のために何か買ったりするかもしれません。しかし、雨が降っているから気分が悪くなるわけではなく、気分が悪くなる原因は他にあるかもしれません。それを見つけ出して対処することが本当に必要なことです。
また、「黒猫を見ると不幸になる」と思っている人は、黒猫を見たら避けたり、おまじないをしたりするかもしれません。しかし、黒猫が不幸をもたらすわけではありません。むしろ、黒猫を見たことで不安になって自分で不幸を引き寄せてしまう可能性があります。
「自分は運が悪いから何をやってもうまくいかない」と思っている人は、チャレンジすることを諦めたり、失敗したときに自分を責めたりするかもしれません。しかし、運が悪いからうまくいかないわけではありません。むしろ、運が悪いと思うことで自信を失って努力をしなくなってしまう可能性があります。
aとbを短絡的に結びつける考え方は、私たちの思考や判断に悪影響を与えます。しかし、この偏りに気づき、修正することはできます。そのためには、以下のような方法を意識して行う必要があります。
- aとbの間に本当に因果関係や相関関係があるのか、客観的なデータや証拠を調べる。
- aとbの関連性を裏付ける情報だけでなく、否定する情報も探して比較する。
- aとbの関連性を強めるように記憶するのではなく、事実に忠実に記憶する。
- aとbの関連性を他人にも信じてもらおうとするのではなく、他人の意見や視点も聞いてみる。
‐ aとbの間の因果関係の客観的な証拠が見つからなければ、断定しない。
aとbを短絡的に結びつけてしまうのは、私たちの思考や判断に影響する心理的な偏りです。しかし、この偏りをは特別なものではなく、誰しもが持っているんだということに気づき、修正することで、より合理的で正確な思考や判断ができるようになります。aとbの間に関連性があると思うときは、一度立ち止まって考え直してみましょう。
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