日本は春夏秋冬という四季の移り変わりがはっきりしている国です。寒く静かな冬を越えて、暖かい日差しの下に新たな生命が芽吹きはじめる「春」という季節は、私たち日本人にとって特別なものなのでしょう。「春」や「桜」にまつわる言葉には、お祝いやよい出来事の意味のものが多いと感じています。たとえば、受験や試験に合格することを「桜咲く」。恋が実ることを「春が来た」。または、結納や婚礼といった大事な祝い席でお茶の代わりに飲む「桜湯」など。今回は、そういったお祝いごとの筆頭である「結婚」に続く「結婚生活」ということについてお話ししたいと思います。
結婚は、出会いという「縁」があって、思い合う心が通じて「春が来て」、個人と個人、そして家と家が結びつき、新たな家庭を築くというものです。家を、血を未来に繋ぐ、とても尊いことです。また男女が愛を誓いあって結婚するからには、末長く幸せに、添い遂げていただきたいと思います。
しかし、順風満帆にうまくいかないのが人生であり、人間です。この仕事を始めて30年以上の年月が経ちますが、結婚生活に関する相談が非常に多いのが現実です。不倫や家庭内暴力など、結婚生活を続けられない決定的な理由があるケースの場合は、ご自身の人生のために離婚も致し方ないと思いますが、多くのご相談はそういう決定的な理由のあるものではなく、「相手とうまくいかない」、「生活態度がいらただしい、不満がある」といったような、つまりは夫婦の心がけひとつで解決するような内容のご相談が多いのです。
どうして手に手を取り合って一緒になった夫婦が、こんなつまならいことで離婚も考えるような不仲になってしまうのか? ご相談にいらっしゃった方のお話を聞いていると、理由は今も昔もそう変わりません。これは単純な話で、夫か妻のどちらかに原因があるという話ではなく、いうなればふたりとも悪いのです。
どういうことかというと、つまり結婚への〝ケジメ〟が足らないために〝愛〟が育たず、互いの違いを〝認め合う〟こと、つまりは〝許す〟ことができていないのです。
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