青森の神様 木村藤子の公式ブログ 日々の暮らしから得る気づき

透視人生30年以上のキャリアで培ってきた、誰しもが幸福になる生き方、考え方をお伝えします。

兄弟姉妹との絆

 親子や夫婦と同様、兄弟姉妹もカルマのご縁で結ばれた間柄です。

 

 お互いに結婚し、別の家に住むようになると、会う機会は年に数回、または数年に一回程度になってしまう人が多いかもしれません。

 

 でも、思い出してみてください。子どもの頃はひとつ屋根の下で暮らし、一緒にお風呂に入ったり、同じ布団で寝るなど、たくさんの思い出があるのではないでしょうか。

 

 しかし、年を重ね、兄妹もそれぞれ結婚して家庭を持ち、それぞれのカルマが息づき、いつの間にか取り返しのつかないほど兄弟間の不仲が深まってしまうこともあります。

 

 同じ “共存し合うカルマ” を背負っているわけですから、それをも乗り越えるべき試練、避けられない修行ととらえて乗り越えていくことができれば、兄弟姉妹やその家族が強い絆で結ばれていくのですが、血のつながった近しい関係である分、理解力や判断力が不足な場合、一度こじれてしまうと修復が難しくなってしまうことも往々にしてあります。

 

 一方、それまでは比較的仲のよかった兄弟姉妹との間に、大人になってから問題が生じるケースがあります。

 

 神様との関わりの見地で言えば、カルマを共有する部分があるために、“この世で兄弟” になり、その共有するカルマを清算できないままにそれぞれ家を出て、結婚して家庭を持って、さらなるカルマを嫁や夫、義理姉、舅姑などと共有していきます。つまり、このように人間関係が広がるのと同時に、カルマの関わり合いも広がっていくのですが、当事者はなかなかそれに気づけない、ということが実に多いのです。

 

 人生がずっと無風状態であれば問題は再燃しませんが、修行の場であるこの世に生まれたからには、誰の人生にも時に厳しい風が吹きつけるものです。たとえば、親が死に、遺産相続をきっかけに問題が生じるというケースがあります。

 

 目の前の問題を解決するためには、過去、現在、未来までを視野に入れることが大切だということはすでに『美しく生きるために』でも説明しましたが、特に兄弟姉妹でトラブルが起こった場合は、過去にその原因が潜んでいることが多いのです。

 

 ただし、過去に原因があると気づくのはなかなか至難の技なのです。

 

 というのも、そんなに昔のことが今の問題に関わっているとは思えない、というのがひとつ。また、目の前の問題に四苦八苦している分、過去のことを振り返る気持ちの余裕がない、ということもあるでしょう。

 

 でも、原因が分からなければ、問題を解決する手だてが分かりません。病気になったときも、どこが悪いのかがわからなければ治療ができませんし、病名を突き止めなければ薬も出せないのと同じことです。

 

 そして、悩みの場合は、原因が分からないと、いつまでたっても堂々巡り。終わりの見えない悩みを抱えることになってしまいます。

 

 そのような悩みを抱え、お兄さんのことでご相談に見えた方がいます。

 

 相談者は40代の男性。ハンカチをぎゅっと握りしめ、思い詰めた表情で拝殿に入ってこられました。

 

「今日は、兄のことで相談に来ました。父が昨年亡くなったのですが、それまで仲が良いと思っていた兄から、父の遺産相続を放棄しろと言われまして……。そのときは言いようのないショックを受けました。

 

 弁護士も立てましたが、家庭裁判所に行ってまで争っては父が浮かばれない思い、私が兄の言い分をほぼ飲む形で先日、決着しました。

 

 母は父が亡くなってからめっきり弱くなり、今は私が妻と共に実家に戻って母の介護をしています。兄は実家の近くに来ても顔を見せませんが、母が亡くなったら実家には私が住む、と言ってきます。

 

 一体、兄はどうなってしまったんでしょうか。

 

 実は、兄には3人子どもがいるのですが、10年前に中学校1年生の長男を自殺で亡くしています。今思うと、そのときから兄は人が変わってしまったように思います。そんな兄と今後、どのように接していけばいいでしょうか」

 

 さっそく透視をしてみますと、まず、長男を亡くしてぼう然自失といった状態のお兄さんの姿が視えました。

 

「お兄さんが息子さんを亡くされたとき、ご家族全員でお兄さんをしっかりと癒やしてあげることができたでしょうか。

 

 最愛の息子を亡くした親の苦しみには計り知れないものがあります。しかも、まだ中学1年生というお子さんを自殺で亡くされたわけですから、まるで地獄に突き落とされたような気持ちでいらした姿が視えます」

 

「そのときの兄はまるで抜け殻のような感じで、どう声をかけていいのか分かりませんでした。とにかく子どもを預かるので精一杯で、私も両親も、そっとしておくぐらいしかできませんでした。それが原因でしょうか?」

 

 再び拝殿に向かった私には、大本の原因はさらに過去。この兄弟の子ども時代にまでさかのぼる必要があることが視えました。

 

「少し厳しい言い方になりますが、今回のお兄さんの行動は、誰が見てもわがままなように見えますが、原因を息子さんの死に結びつけるのは違うように視えます。そもそもお兄さんは、家族の温かさというのを分かっていない方のようです。あなたとお兄さん、お母様とお兄さんの関係に問題の根っこがありますね。

 

 子どもの頃のお兄さんが、家族の中で孤立している姿が私には視えます。家族と一緒にいても、お兄さんはすごく孤独を感じていたようです」

 

「えっ。そうですか。思い当たるようなことはないですけれど……」

 

「大きな出来事があったわけではなさそうです。小さなことの積み重ねだと思います。お兄さんは、子どもの頃から母親に “いい子” と見られたいという思いが強く、そのために親の顔色を伺う毎日だったようです。母親の笑顔を見たいがために、なんでもあなたに譲るといった人生を歩んできたと思います。

 

 また、あなたにとっては優しい母親でも、お兄さんにとっては注意や愚痴が多い母親の姿が視えます。そのため、お兄さんは心を開かないでいるのです。ですから、今はそっとしておくのが良いかと思います。おつらいでしょうが、しばらくは様子を見たらいかがでしょうか」

 

 その後、この方から手紙をいただきました。

 

 自宅に帰って落ち着いて考えてみたところ、子ども時代のお兄さんのことで思い当たるシーンや言葉をいくつか思い出すことができたとのことです。

 

 過去を変えることはできませんが、過去に潜んでいた問題の原因が分かれば、問題への対処の仕方、お兄さんへの接し方も変わってくるでしょう。そのように根本にある原因に気づけば、自ずと未来も変わってくるのです。

 

 過去、現在、未来を視野に入れて問題の原因を探り当て、兄弟姉妹の絆を切らずにつないでいっていただきたいと思います。

 

 

 

 

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