青森の神様 木村藤子の公式ブログ 日々の暮らしから得る気づき

透視人生30年以上のキャリアで培ってきた、誰しもが幸福になる生き方、考え方をお伝えします。

親の願望に潰された子供

 以前、相談に来られた親子の例で、こんなやり取りがありました。

 

 中学の頃に精神バランスを崩した女の子が、相談中にいきなり祭壇の方に向かって、「てめぇ、黙れ!」と叫びました。

 

 「私のこと?」と私が聞いたら、

 

 「てめえしかいねえだろ!!」と再び声を荒げました。

 

 両親は、ただうなだれたまま何も言いません。

 

 「そういった言い方をするのはやめなさい。中学時代に精神バランスを崩したかもしれないけど、あなたにも良さがあるでしょ。なぜ直そうとしないの?」

 

 「てめえにわかるかよッー」

 

 彼女はそう叫びながら、今度は親の髪の毛をつかみかかろうしたので、

 

 「やめなさい、ここで暴力をふるうなら110番するわよ」

 

 私がそう言うと、急に彼女はひるみました。気が小さいんですね。

 

 「いつもこうしているのですか?」とご両親に聞いても、母親は黙ったままでした。

 

 やがて、「自分の命を捧げてもいいので、何とか助けてほしい……」とソファーから降りて正座をして、声を絞り出すように父親が言いました。涙をとめどなく流しながら、死にたい気持ちでここまでやってきたと、心の内を語り出したのです。

 

 「見なさい、このお父さんの姿を!! あなたのために……」

 

 私も胸がいっぱいで涙をこらえながらそう言いました。

 

 必死にすがる親の姿を見た彼女は、さすがに心に響いたようで、涙を流しながらうなだれました。

 

 でも、こうなったのは、ご両親が小さい頃から彼女に期待をかけ過ぎてきた結果だったのです。

 

 毎日毎日、勉強ばかりで、友達とも仲良く遊ぶことができなくなって孤立し、やがて母親とぶつかるようになって、最初は親が強かったのが、彼女の方が腕力が強くなって母親に暴力をふるうようになる……。

 

 つまり、小さい頃は親の期待に合わせて “いい子” を演じていただけで、肝心の人間関係で大事なことや情緒が養われておらず、中学に入ってからその心の歪みが一気に爆発してしまったのです。

 

 最初にぶつかってきた時に、それをSOSとして気づけばこうはならなかった。それは親の無知です。

 

 もちろん、親御さんは愛情を持って子育てをし、子供の将来を考えてあれこれ気を配ってきたのでしょうが、それが裏目に出てしまっては、愛する我が子が大変なことになってしまう……そのような例を、私はこれまで嫌というほど見てきました。

 

 そうならないように、親は親の願望を押し付けるのではなく、子供の心、情緒を育てることをぜひ心がけていただきたいと思います。

 

 子供を一人の人間として尊重し、よく話を聞いて理解し、愛のある接し方をすること。それは決して、ただ甘やかしたり、自由奔放にするという意味ではありません。

 

 正しい言葉づかいや美しい所作など、自分の失敗談から得た気づきも伝えながら、マナーや思いやりの大切さを教え諭し、子供の将来を見据えた幅広い知識を与えることです。

 

 親の威厳を保とうとして、「自分は若い頃にこんなことができた、こんな才能があった」などという自慢話をする方がいますが、そうではなく、「自分はこんなことで失敗をした、こんなことを知らず、こんなことに気づかずに私は恥ずかしい思いをしたからお前は気をつけなさい」などということを伝えてほしいのです。

 

 実際、その方がよほど子供のためになりますし、子供が親が思っている以上に、心の中では親を大切に思っています。

 

 子供が正しい理解力や判断力を養えるよう導くとともに、親の良い点は学び、悪いところは真似をしないようにと、親自身の経験を交えて人生のさまざまな知恵を子供に教え諭していく。それが人生の先輩としての親の役目だと思います。

 

 

 

 

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