我欲にまかせて人と対立し、和することなく突き進んだとしたら、幸せとは逆方向、やがてはマイナスの結果を生むでしょう。
我欲や憎しみは、そのまま自分に跳ね返ってくるからです。
反対に、自分の不足に気づいて相手を許し、理解力や判断力を深められれば人と和することができ、相手を許せるチャンスとなり、自分にとっても相手にとっても望ましい結果がもたらされるでしょう。
相手への思いやりや優しさは、同じように自分にも戻ってくるからです。
そこで大事なことは、忍耐、耐え忍ぶ心です。
自分の不足や短所を素直に認めて改めるには、そこから逃げない心が必要で、それと同時に、人と仲良くするには、相手が気づくのを待つ思いやり、耐える愛が求められるからです。
その意味で、心を養うことは、人との勝ち負けではなく、自分の中の醜さ、弱さとの戦いであると言えるかもしれません。
誰しも人生がうまくいっている時には、そのような心がまえもできやすいでしょう。
しかし、困難な状況に出会った時は、心の余裕がなくなってつい我が出てしまったり、思いやりを欠いてしまいがちです。
それゆえに、困難な状況に出会った時こそ、自分を見つめるチャンスと捉え、人として何が大事なのかを静かに考えてみる必要があります。
私の場合も、今は回復しましたが、腰痛のおかげで身体を休めるチャンスができたことによって、フッと心に余裕ができました。
例えば、ベッドやソファーの上で、壁にかけてある絵をじっと見つめる時間。
それまでは、あまりにも忙しくてそんな余裕はまったくありませんでした。
ただただ時間に追われる毎日で、相談者に対して「もっと時間があれば」と思ってもなかなかかなわず、残念なことも多かったのです。
それが少し気持に余裕ができると、仕事一途のみではなくなって、これまでを振り返ることも少しできるようになりました。仕事を通して、さまざまな困難な状況に出会う中で、「だからこそ気づけたこと」がたくさんあったのも事実であり、感謝の念にたえません。
私生活においても、主人や子供たちに対して本心を打ち明けたり、親としての不足を素直に語りあい詫びられたのも、この仕事を通して数多くの出来事の中で、私の心が鍛えられると共に、知識を得られるチャンスが多かったからだと思います。
ある相談者の親御さんからは、「子供に対して自分の欠点は死んでも言いたくない」という言葉を聞いたことがありますが、それは少し違うのではないかと思います。
欠点のない親をわが子に見せるだけでなく、親である私たちも、人生を生きる中で失敗することが少なからずあることを教え諭すことで、子供自身の気づきをも促していきたいと思うからです。
そんな気づきが得られたのも、日本全国のさまざまな土地柄の文化や生活など、数多くの方々の人生を見せていただいたおかげです。
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