以前、拝殿にみえた女性の相談は、「いつになったら夫の事故の後遺症は良くなるのか。それより、もう諦めて離婚したほうがいいのか」ということでした。
神にお伺いすると、「リハビリによって少しは良くなるけれど、夫の体は決して元通りにはならない」という答えが返ってきました。
残念ではありますが、私はその通りのことを相談者にお伝えしました。
すると、「ではやはり、離婚しかないのでしょうか」とどんどん言葉を重ね質問してくるのですが、自分の感情のみで、夫の気持ちなど一切頭の中にないのです。
私は、しばらく黙っていましたが、神が視せてくださったことをそのまま伝えました。
「まず、あなたの欠点を考えてみるべきです。あなたはプライドが高く人を見下すだけで、自分を素晴らしいと自己評価ばかりし、他人への温かさが不足しているのが見えます。
それは、ご主人にだけではなく誰に対してもです。その欠点を直す事が大切であり、その性格のままでは、ご主人の事故がなかったとしても早晩離婚になってしまうのではないでしょうか。
努力をされて生活を守ってきたのかもしれませんが、生きていくために守るべき事の中には『行動すべき事』や『行動してはいけない事』など、たくさん大切な事があるのを理解し生活していかなければ、すべてが一方的になってしまうのではないでしょうか?」
私の言葉が果たして伝わったか否か。その女性が理解できたかどうかについては、私の心の中で不安を覚えた記憶があります。
三十代半ばで、ご主人と子どもさんの三人家族。一昨年、念願の子どもを授かったのだけれど、子どもが生まれる直前にご主人が事故に遭い、重い障害を負ってしまった。出産したら仕事を辞めるはずだったのだが、そういうわけにもいかなくなり、夫のリハビリの手助けをしながら子育てと仕事に忙殺されている。
そういった理由から仕事にも全力投球できず、イライラが募る。それなのに夫は自分に対し我がままばかり言うので、子どもを迎えに行く頃には疲れてしまい何もしたくない。このままでは、自分の心が壊れそうだと言うのです。
確かに大変なご苦労と思います。その事情や苦しむ両者の生活、また若さも考慮に入れて「相手の気持ちや、生まれた子はご主人の血縁であること、共に苦しい辛い中で妻の取るべき言動に落ち度がないかなど、今こそ与えられた『役割』、つまり、この世へ生まれてきた『使命』の中の一つであるこの修業を、いかにしてまっとうすべきかを考えるべきです」と伝えました。
また、プライドが高過ぎる彼女には、結婚前から親しくコミュニケーションできる同僚もなく、プライドだけで生きてきて自分自身を見つめる視点が欠けていたところもあるのです。
また一方で、夫はリハビリが進まないことで視野が狭くなり、自分しか見えず周囲に当たり散らしますが、妻はあまりにも忙しく、すべての役割をこなすことに精一杯で、夫とちゃんと話をしようとしませんでした。
すると夫は、もう自分がまったく頼りにされていないように感じて、ますます我がままを爆発させているのです。
私はこの二人の姿を視て、後に深く考え込みました。
それは、本当は心の中には「憎しみ」はなく、互いに「自分だけ」の事しか頭にないがための、いわゆる「不満」のぶつけ合いであるのではないかと。
ならば、都合のいい時だけが夫婦ではなく、過去、現在、未来を考えたなら、未来において体調が元に戻らないとしても、互いにそれなりの生き方を求め力を合わせれば、五十歳を過ぎ、六十歳を過ぎた頃、誰よりも心の通い合う夫婦になれるかもしれないのです。
私は彼女に、自分の役割だけをまっとうすることだけを考えず、他人とのコミュニケーションの大切さを話し、関係性を整理して役割の転換を図るように伝えました。
夫や同僚、周りの人間の心を開き、自分の担っている役割を少しずつ他人に受け持ってもらうことができれば、ご主人との関係も改善するはずであることも伝えました。
最初は怒りで般若のような顔をしていた相談者も、私の話を聞いていくうちに、だんだんと表情が柔らかになっていきました。
そして最後に「自分さえ頑張れば、何とかできると思っていたけれど、それは誤りでした。新しい気づきを授けてくださってありがとうございます」と涙を流し、帰って行かれました。
帰って行く相談者の優しい顔には、悪いカルマを一つ解消することが出来た清々しさが浮かんでいました。
「この悩みは自分のつまらないプライドが作り出していたものなのだ」ということに「気づき」、心から「理解」したことで、悪いカルマは消えるしかなかったのです。
人は誰しも「縁」があって他人と出会います。
もし人間関係がストレスを作っているなら、関係を整理したり、その関係性が自分にとっては辛いのだということを素直に認め、伝えることが大切です。
お互いの関係を考え直したり、自分一人で抱えられないことであれば周囲に助けを求めることで、どうにもならないと思っていた壁がスッと消える場合もあるということを忘れないでください。
時には弱音を吐くのも、本心を見つめる上での大切な行為です。
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