無駄づかいを重ねたり、お金を収入以上に使ってしまう、といった間違いを起こさないためにも、正しい金銭感覚というものを、親が子どもに、できれば幼い頃から教えていくことが大切です。
たとえば、おつかいに行ってもらったら、たとえ五円、十円でも釣り銭をあいまいにせず、レシートとお釣りをしっかり受け取るとか、月々のお小遣いを与える場合も、その範囲でやりくりすることを覚えさせるなど、きちんとしつけることが肝心なのです。
子どもがかわいいからといって、何か欲しいといわれるたびにお小遣いを渡してしまったり、おつかいのお釣りを確かめもせず、どうせ小額だからと、お駄賃と称して渡していたのでは、子どもの心にお金に対してのケジメというものが身につきません。
そんな子育てをしていたら、先々困るのは子ども、そして、親自身です。子どもが借金をすれば、叱りながらも、親の情で子どもに代わって返済をし、そしてまた子どもが新しい借金をしてしまう。それをくり返す中で、親は苦しみ、そして葛藤が始まります。
たとえば、子どものファッションや遊び方が派手になってきたと感じたり、ひとり暮らしをしている子どもが夏休みや冬休みに帰省してきたときに、今まで持っていなかったようなブランド品の洋服を身につけていたり、バッグを持っていたとしたら、気をつけなければいけないのは当然だと思います。
もしも、そのときに、
「お金はどうやって工面したのだろう」
「この頃、お金の使い方が荒くなったのではないか」
「金銭感覚が以前と変わったのではないか……」
などと思ったら、その言葉を心の中に押しとどめておかないで、しっかりと子どもと向き合って話し合うべきです。
子どもに口うるさい親だと思われることもあるでしょう。しかし、親御さんが不安を感じたように、もしかすると、たったひとつのブランドもののバッグが、〝子供の金銭感覚が狂い始めたことのサイン〟かもしれないのです。
こういったことは、〝お金の感覚・価値観〟に対する間違った考えを持つ初期の段階である可能性が高いので、とても重要なことといえるのです。
近頃では、仲のいい親子でいたい、子どもに嫌われたくないといったような理由で、いい親、理解ある親を演じる親御さんが拝殿の前で数多く見られますが、お金に関してしっかり教えるのも、親としての責任です。そのことを十分に考える必要があると思います。
人生の先輩として、語り合うことの大切さを教えていけば、〝先輩(親)の話を聞く心〟が子どもの中にしっかりと育っていくと思います。こういったことは、それこそ幼児の段階からやっていかなければいけない教育なのです。
私のもとにも、息子さんの借金の肩代わりを何度もし、その結果、ご自分の預金も底をついて、もうどうにも首が回らないといった状態で訪れる方が大勢いらっしゃいます。そして、ほとんどの方が、「最初のときにもっと厳しくすればよかった」という後悔の言葉を涙ながらに口にされるのです。
まずは、最初が肝心です。子どもから借金を打ち明けられたら、たとえお金を出してあげるにしても、借金の金額、利子などをしっかりと把握し、一緒に返済をするぐらいの厳しさが必要だと思います。
また、借金のことで私のもとを訪れた方には、こういった方もいらっしゃいました。
相談者は五十歳代の女性。大学を卒業して公務員になり、お子さんふたりを育てているシングルマザーです。
その方は、借金を抱えていて生活が苦しい中で、大学に通っている長男に車が欲しいとねだられ、新車をローンを組んで買い与えたというのです。
この方の金銭感覚には、私も正直、恐ろしいものを感じたほどでした。借金がすでにかさんでいるにもかかわらず、
「長男だから軽自動車には乗せられないし、ましてや中古の車など与えられません。面子がありますので」
とおっしゃるのです。しかも、
「借金を返す方法を聞くためにここに来たのではないのです。ここに来れば、借金がなくなると思って来ました」
と言います。さらに加えて、
「気づけばよくなるというので、ここに来るための交通費も借金をして用立ててきました。それなのに、ウソなんですね。結局ここでは、借金がゼロになる方法はないのですね。私がここまで来るために作った借金は、どうしてくれるのですか」
と言うのです。この言葉には、いくらこのようなもののわからない言い方に慣れている私といえども、心の中でじわーっと涙があふれる思いがしました。
ただし、このような例はこの方だけではないのです。なかには、除霊してもらえば借金がなくなるはずだ、とおっしゃる方もいます。もちろん、霊障であればそうかもしれません。
しかし、借金をしているのに高価なブランド品などを身につけていたりするのを見ると、何ともいえない感情になり、この仕事をむなしく感じます。
そういった方を目にするたび、正しい金銭感覚を身につけることの大切さをひしひしと身にしみて感じるのです。
こういった方々を見ていると、親として、幼児教育の段階から、我が子に正しい金銭感覚を身につけさせることは、本当に大切なことなのだと思います。子どもの頃に、きちんとした金銭感覚を身につける機会がなかったという人も、大人になった今から、学んでいけばいいのです。
お金に限らず、人間は死ぬまで学び、自分の至らなさを改善し、人生という道のりをコツコツと歩んでいかなければならないのです。
カルマという業の清算を、この世での修行としてまっとうしなければならないのが、人に定められた運命だと思うのです。
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