子ども時代に母親から教えられたことで、これまでずっと大切にしてきたものはありませんか?
子どものときには分からなかったその教えの奥深さに、大人になってから改めて気づいた、ということもあるのではないでしょうか。
また、大人になってから、妻や母になってから気づいたことや覚えたこともあるはずです。
そういった気づきや知恵、知識といったものを、将来、母親となる娘さんにしっかりと伝えていっていただきたいと思っています。
というのも、そういった気づきや知恵には、女性が幸せになるためのヒントがたくさん詰まっているからです。
ではまず、私が子どものときに母から教えられたことからお話しましょう。
私の母も霊能者として多くの方々のご相談にのり、本当に毎日忙しく過ごしていました。
母は明治生まれの芯の強いしっかりした女性でしたが、今こうして振り返ると、子育てにおいてもとても辛抱強かったように思います。
たとえば、私が何か間違ったことをしたときも、頭ごなしに「だめでしょ!」などと叱られたことは一度もありませんでした。
母親に「座りなさい」と言われると、それが何を意味するのか、子ども心にも十分理解できたものです。
そうして、「どうしてこんなことをしたの?」と聞かれ、子どもながらに緊張しながら理由を説明すると、「悪いと思っているの?」と聞かれ、「悪いと思っている」と言うと、「悪いと思っているならばそれでいい」と、話はそれで終わりです。
活字にすると淡々としていますが、そのときの母の我が子に対する慈しみの顔と、着物を来て正座をして私に話す威厳のある雰囲気には、シュンと小さくなって素直に話を聞く心境になったものです。
闇雲に叱るのではなく、きちんと子どもの言い分も聞き、教え諭すという方法で、母は私に物事の正しい理解の仕方、正しい判断力というものを覚えさせたのです。
実は私は、妊娠8ヶ月目という早産で生まれました。
母は神様から「神が責任を持って育てるから大丈夫だ」と教えられていながらも、当時は8ヶ月で産まれた子は早死にするというジンクスがあったこともあり、また、霊能者である前にひとりの母親としての情や心配もあったのでしょう。私が聞いたことはなんでも教えてくれる母でした。
たとえば、好奇心旺盛な子どもだった私は、料理をする母の横で、「どうして小豆がこんなにきれいなあんこになるの?」「お米がどうしておもちになるの?」と、興味のままにあれこれ尋ねましたが、母は忙しいはずなのにうるさがることもなく、慈しみながらひとつひとつていねいに教えてくれたものです。
あんなに忙しかった母なのにと、今思い出すと改めて驚いてしまいますが、このおかげで、私は昔の料理を母を通じて見よう見まねで覚えました。
また、言葉遣いや表現の仕方についてもたくさんのことを教えてもらったと思います。
特に、目上の人に対する言葉の表現には厳しいものがありました。
たとえば、目上の人に対する返事は、決して「うん」と言ってはならない、必ず「はい」と言いなさいということは、折にふれては繰り返し指摘されていました。
日常の中で繰り返し教えてもらうことによって、目上の人を敬う心、素直な心、謙虚な心の持ち方というものを身につけることができました。とてもありがたいと思っています。
僻んだものの考え方をしてはいけないよ、ということも、例を挙げて、まるで昔話を話して聞かせるように教えてくれたものです。
これは、私が実際に何かに僻んで注意されたのではなく、霊能者として多くの相談者と接する中、僻んだものの考え方をしていては人は決して幸せにはなれないということを母が深く悟り、それを私に教えてくれていたのでしょう。
また、相談者を始め大勢の人が訪ねてくる家だったこともあり、他人の家を訪れたときは、そこの家のガラスの前で身だしなみを整えてはいけないとか、訪問先の家を出たあとすぐに大きな笑い声を立ててはいけないということなども、母から教えられました。
ガラスの前で身だしなみを整えると、家の中から見られているかもしれません。また、家を出た途端に高笑いをしたとしたら、その家の人はどう感じるでしょうか。自分のことを笑ったんじゃないかと勘違いされることもあるということです。
このような細やかな気遣い、さらに、判断力や心の持ち方など、母からは本当に多くのことを学びました。母は無学で教育も十分に受けられなかったのですが、人との接触の中で苦労しながらひとつひとつ覚え、娘である私に教え伝えてくれたのでしょう。
無学であっても、人の振り見て我が振り直すことの大切さを教えてくれた母には、本当に感謝しています。
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