幼い子どもにとっては、親がどんな知識を持っているか、どのように子どもに接しているかによって、その子の人生が大きく左右されます。
それは、両者が、現世で直す必要がある事柄やカルマにあった悲しみ、楽しみを共有するため、親が自分の欠点に気づかず、それを直さずに子育てをしていれば、やはり親子が共有するカルマが息づいていて、時期が来るとそれが動き始めるのです。
神が、私達の成長の度合いに合わせてわかりやすく諭してくださるのと同じように、親は我が子の成長に合わせて根気よく接することが大切です。
そこで生まれる親子間の信頼関係、絆は、子どもの素直さや無償の愛を育むことにもつながるからです。
例えば、子どもが離乳食を終え、だんだんと自分で食べるようになると、親は、まずスプーンの持ち方から、「こうやってお口に持ってくるのよ」と一緒に手をたずさえながらやさしく、繰り返し、繰り返し根気よく教えます。
生まれて初めて経験する子どもに対しては、それができるでしょう。「よくできた!」と喜びに浸りながら。同じようにお箸の持ち方や食事の仕方、排便を促すなど、何度も何度も手取り足取り教えていきます。
ところが、オムツを外した頃から、まるで我が子が一人前になったような感覚になるのか、「注意! 注意!」とただ叱るようになってしまうのです。
「どうしたの?」と子どもの心の中を考えることもなく、親が一方的にああしなさい、こうしなさいと強要して、子どもがいうことを聞かないとつい手や足を出してしまう……。
これは、心の中では子どものことを十分大切に思っているはずの親が、「自分は間違っていない! 一所懸命教育している」との勘違いに気づいていないからではないでしょうか。
子どもの成長はそれぞれ早い、遅いの差があって育っていきます。
早いから大人になって出世コース決定というわけでもなく、遅くても自我の目覚めとともにめざましい成長を遂げる子も数多くいます。
それを理解したうえで、親もあわて過ぎず、我が子と根気よくコミュニケーションをはかりながら教え諭していかなくてはなりません。
「どうしたの?」「どうしたいの?」と声をかけながら、何度も何度もわかるように根気強く教え諭し、話しかけていけば、思春期になってわけもなく反発することもなく、自分の考えを述べるはずですし、素直に親子の会話もできるはずです。
子どもも、自分が悪いことをしたときは自分が悪かったとわかっている。それなのに、追い打ちをかけるようにさらに頭ごなしに叱りつけてばかりいたら、子どもの忍耐も積もり積もって爆発するのがやむを得ないこともあるのです。
大人の私達も、妻や夫に注意されると素直には「聞きたくない」。その感情を見逃すことなく考え、子どもに対しても頭ごなしに叱るのではなく、根気よく対話を続けていけば、相手の気持ちやペースを理解できるようになるのです。
そのように、親がどのような態度で接するかによって、中学、高校になっても素直に「はい」といえる子どもと、「うるさい!」と反発する子どもに分かれます。
親に対して素直になれるのは、小さい頃から「自分のことを理解してもらっている」と子どもが成長する中で感じているからです。
自分を理解してもらっていると感じられる子どもは、親が悲しむようなことや親を苦しめるようなことは決してしない……それが非行を制する心をつくるのです。
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