“カルマ” と “運命” について説明したいと思います。
というのも、これまで出版してきた書籍でもご説明してきましたが、カルマと運命の違いや正しい意味が今ひとつ分からない、とおっしゃる方がまだまだ多いように見受けられるからです。
ここのところをしっかりご理解いただくことが、カルマとしての欠点に気づいて直し、幸せな道へと進むための肝心なポイントですので、ここで改めて説明したいと思います。
まず、カルマというのは、何度も生まれ変わりを繰り返してきた輪廻転生の中で、今現在までにあなたがした、すべての言動のことを指します。
“業” と訳されるために、悪い言動ととらえられがちですが、良い行い、善き言葉も含まれます。要するに、カルマには、“良いカルマ” と “悪いカルマ”の両方があるわけです。
また、目に見える行いだけではなく、心の中で密かに思ったこともカルマとして積み重なっていきますので、顔では笑っていながら、「なんて憎たらしい人なんだ! これからは会ったら無視してやる!」「絶対に許さない!」といった憎悪、嫉妬、妬みといった邪な思いも、「悪いカルマ」として加算されていくわけです。
人は亡くなれば肉体は滅びますが、その人の核である魂は永遠に存在し続けます。ですから、この魂に、あなたの行いと精神の履歴がもらさず刻まれていく、とイメージすると分かりやすいかもしれません。
このカルマによってもたらされるのが、“運命” です。つまり、あなたの魂に刻まれたカルマにふさわしい人と出会ったり、出来事に遭遇していくというわけです。
カルマで誤解されやすいのは、カルマを悪いもの、罪業とのみとらえがちな点です。
先日も私のところに、
「この間の大地震は、人々が持つ『悪いカルマ』が団結して引き起こしたものではないのですか?」
といった質問がありました。
この質問は、人間のなんらかの悪い業が集団となると、今回のような震災や事件、事故を引き起こすことがあるのではないか、といった意味ですが、大震災は “悪い業を持つ集団” によって起きたのではなく、地球の地形の関係で大地震が発生したのであり、ものの考え方自体が違うように思います。
人間にはそれぞれ、生まれる前から決められていた運命があります。ですから、どのような形で亡くなるかも人それぞれ。このような死に方は不幸であるとか、こう死ぬのが理想といった差別はないのです。
もちろん、突然の事故や天災で家族を亡くされた方はたとえようのない苦しみ、悲しみを感じるでしょう。しかし人間は、生まれ落ちた瞬間からカルマと共存していきます。また、神の視点から見れば、家族は共有する部分が多いカルマでつながれていますから、そのような事故で家族を失うのもまた、残された家族が背負った運命、乗り越えるべきカルマであるとも言えるのです。
そして、カルマには “良いカルマ” もあることを忘れないでください。
たとえば、何かのトラブルで窮地に陥ったときに、まるで救いの神のような人物が現れて、あなたのトラブル解決を手助けしてくれたとしたなら、それは、あなたの “良いカルマ” がもたらした出会いと言っていいでしょう。
いわば、あらゆる人間関係はその人が背負ったカルマによってもたらされるのですが、ことにカルマによる結びつきが強いのは夫婦や親子、兄弟姉妹といった家族関係です。
家族でなんらかのトラブルが生じた際は、たとえ相手に非があると感じたとしても、相手をただ一方的に責めるのではなく、共通するカルマを背負っているために生じたトラブルなのではないか、という視点でとらえてみてください。
そして、自分のほうにも反省すべき点、直すべきところがあるのではないか、と冷静に考え、気づくことがあったら、その部分を直していくのもカルマを解消していくうえではとても大切なことです。
それこそが、問題解決への手だてだということをしっかりと理解し、なんらかの苦しみや悲しみがあったら、その原点に何か間違いがなかったかどうかを突き止めていく。そうやって間違いに気づいて直すことを繰り返すことによって、カルマが解消されていくわけです。
もちろん、気づいて直すことは口で言うほど簡単なことではありません。でも、そのようにしてコツコツとひとつずつ悪いカルマを解消していくことが、幸せへの道を歩む、ということなのです。
人間は誰しも、カルマを乗りこえるために大なり小なり苦労しているものです。そのことに気づかず、自分が原点で間違いを犯していることや、カルマを乗り越えられないことによって苦しみが増していることが分からずに、また、自分の我欲やワンマンな行動によって信用を失い、それが苦しみを招いていることにも気づけないまま、何かしら苦しい出来事があるたびに、
「これは運命だから仕方がない」
「なんて悪い運命のもとに生まれたんだろう」
といったひと言で片づけ、なんの努力もせずに、ただただ我が身の不幸を嘆いたり、腹を立てる人がいますが、それではなんの解決にもならないのです。
人がこの世に生を受けるのは、背負ったカルマを自らの手で刈り取るため。「カルマなくして転生なし」というのが神の摂理です。
ですから、 “なんの努力もいらない幸せな運命” を与えられている人などいないわけです。それを理解できずに、人生に訪れる困難を人のせいにして、あらぬ罪をかぶせて苦しめたり、他人の人生の道をふさぐようなことをしてしまうと、やがて因果応報で、ご主人が愛人を作ったり、子どもに問題が起きるなど、人生の前途に絶望を感じるような生き様となってしまいます。
人生の困難は自らのカルマを刈り取るためにこそ与えられたのだ、と真摯に受け止めることができずに愚かな行動に走ってしまうのは、不幸へのトンネルを前進していくようなもの。カルマを増やしてさらなる応報を得るというのは、愚か極まる人生と言えるのではないでしょうか。
苦難にあったら自らの行いを正していく。そうすれば、運命は自ずといい方向へと向かっていくのですが、正しい判断力や知識が不足し、傲慢すぎると、歯止めがきかずに不幸の落とし穴にはまってしまうのです。
つまり、起こる出来事は変えられなくても、そのあと、どのように対処するかはその人次第。この先の未来を明るいものにするために大切なのは、他人を変えることでも、世界を変えることでもなく、自分自身を変えることにあるのです。
もちろん、自分自身を変えるというのは、そうたやすいことではありません。時には大きな苦しみを伴うこともあるでしょう。
しかし、気づいたときに自分の人生を見直し、勇気を持って変えなければ、運命をいい方向に変えることはできません。来世、必ず転生するわけですから、それこそ、さらなる厳しいカルマが待っているわけです。
その例として、私自身のことをお話したいと思います。
私は透視能力と除霊力を授かり、神の部下としての役目を日々の仕事としていますが、このように生きることは、私自身の前世のカルマでもあるわけです。
人を救う役目とはいえ、その人の心配や苦労を解決するには、問題の根本に気づかせる必要があり、そのためには、“人から言われたくないような欠点” を言わなければなりません。そのような、“人が嫌がるような言葉を言わなければならない” という私のカルマもまた、なんとつらいカルマなのかとしみじみ考え込むこともあります。
若かりし頃の私は、“神と関わる” 自分の運命を受け入れることがなかなかできませんでした。
というのも、私の母も霊能者であり、私が生まれる前から神に仕えるお役目についていたのですが、その母を間近で見ていた私にとって、神に仕える運命とは、「人の心の虚しさ、人の心の愚かさ」と直面すること。そのことに辟易した気持ちを抱えていたのです。
神との交流という役目を背負って生きることがどれほど嫌だったかは、筆舌に尽くし難いものがありました。しかし、いくたびもの不思議な出来事が重なって、死ぬことさえも、この道から逃避することさえも許されない我が身の運命を深く悟ったのです。
そして、34歳のときに、新たに生まれ変わるほどの気持ちで二代目の霊能者として生きる覚悟を決めたのですが、そのとき神から言われたのは、「お前は神の世界で罪を犯し、人を救うことで罪を償う約束をしたのだぞ。しっかり任務を果たして帰ってくるがよい。待っているぞ」という言葉でした。
ただ、この言葉を聞いたあとでさえも私は、「やればいいんでしょう。人を救えばいいんでしょ!」といったぞんざいな気持ちでしぶしぶこの道に進んだのです。そんな跳ねっ返り娘のような気持ちの私を、神は真綿で包むような寛大な気持ちで見守ってくださいました。そのことを思うと、今さらながらに、謝りきれないほどの申し訳なさを感じてしまいます。
その後、自分の使命に全力を尽くすことを神に誓ってからは、日々、自らの行いを厳しく見直し、改めることで心の穢れを落とし、日本全国の悩める人々のお役に立つべく、神の部下としてのお役目を一心不乱に努めてまいりました。
その結果、少しでも多くの方々に「気づきによる幸せの道」をお伝えしたい、という私の願いが叶って、念願の書籍を出版する道が拓けたのです。
カルマによる苦難を乗り越えるのは、どなたにとっても苦しい道のりです。でも、カルマをひとつずつ解消するごとに運命は必ず明るい方向へと向かっていきます。
カルマの解消の原点は “気づいて直すこと” と “素直に自らの心を反省して謝ること” です。そこから必ず、幸せへの新たな芽生えが生じていくのです。一生懸命に人生を歩む人を、神は決して見捨てることなく救い上げてくださいます。あれほどまでにこの道を嫌った私のことも、神は暖かく見守ってくださり、ここまでこれたのですから。
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